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2021年9月


  • 2021年9月21日、米財務省は、ランサムウエア攻撃で暗号資産の支払いを要求したハッカーの取引に関与したとして、仮想通貨交換業者のスーエックスを制裁の対象にしたと発表。米政府が仮想通貨業者を制裁するのは初。米国民との取引が禁止される。
  • 2021年9月21日、ビットコイン価格が一時8%の急落。中国恒大集団の債務不履行懸念の高まりから、世界的にリスクオフの動きが広まった。20日にニューヨークの暗号資産のイベントで、米証券取引委員会の職員が融資サービスなどを手掛ける企業の関係者に法廷への召喚状を手渡したとの一部報道も伝わったことも売りに繋がった。
  • 2021年9月14日、米証券取引委員会のゲーリー・ゲンスラー委員長が議会上院で「仮想通貨交換プラットフォームで取引されるデジタル資産の大部分をSECに登録する必要がある」とし、投資家保護の必要性を強調。脱税やマネーロンダリング対策と合わせ政府と一体で対策する。
  • 2021年9月7日、エルサルバドルで暗号資産(仮想通貨)のビットコインが法定通貨となった。これまでの米ドルと併用し、税金や給与の支払いにもビットコインを使える。国民の約7割が銀行口座を保有していないため、金融システムへのアクセスを確保するのが狙い。外国からの送金額は国内総生産の約2割に相当し、手数料は年間4億ドルに達する。この水準を引き下げることでさらなる資金流入を促す。

2021年8月


  • 2021年8月23日、ビットコインが約3カ月ぶりに5万ドル台を回復。アフガニスタン問題で地政学リスクが高まる中、政治とかかわりのない仮想通貨は資金の逃避先になりやすいとされるほか、米大手交換所が仮想通貨の購入を発表したことが材料視された。
  • 2021年8月19日、コインベースの日本法人は、同日から日本市場でのサービス提供を始めると発表。三菱UFJ銀行との提携も発表し、三菱UFJ銀行の口座からインターネットバンキングを通して入出金が可能となる。
  • 2021年8月3日、ゲーリー・ゲンスラーSEC委員長は、暗号資産(仮想通貨)に関して「投資家保護の体制が整っておらず開拓時代の西部(ワイルド・ウエスト)のようだ」と述べ、無秩序の状況に警鐘を鳴らした。「我々の力を使い、役割を果たす」と規制整備の必要性を強調した。

2021年7月


  • 2021年7月29日、IMFはデジタル通貨の論点を整理した報告書を公表。消費者保護の重要性を訴えたほか、銀行の役割の変化や公正な競争環境のもとで流通する国々の経済や金融の安定も守られる必要があると指摘した。
  • 2021年7月26日、ビットコインが1カ月半ぶりに4万ドル台を回復。アマゾンがデジタル通貨関連の求人を始めたことから暗号資産市場が拡大するとの期待が広がった。テスラのイーロン・マスクCEOの強気発言も投資家の買い戻しを誘っている。
  • 2021年7月26日、金融庁は暗号資産やデジタル通貨など従来型の金融機関を介さずに拡大する金融サービスに関する研究会の初会合を開き、新たな金融サービスのあるべき姿や、現行規制の過不足、国際的な潮流などを議論することを確認した。研究会では中銀デジタル通貨や「セキュリティー・トークン」と呼ぶデジタル証券も議論の対象とする。
  • 2021年7月21日、IEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)と呼ぶ暗号資産を通じた資金調達手法が拡大している。累計調達額は世界で700億円を超え、日本でも7月に初案件。IEOは仮想通貨交換業者が金融当局と折衝しながら数カ月から1年かけて審査。発行体が資金を手に入れて逃げる詐欺行為を排除するのが狙いの資金調達手法だ。特徴のひとつが調達した企業がトークンを通じた独自経済圏の構築が可能になる点。例えば、ハッシュパレットが販売した「パレット・トークン」の場合、偽造・改ざんできず、鑑定書付のデジタルデータと言われるノン・ファンジブル・トークン(NFT)の支払いに充てられるほか、保有割合に応じてブロックチェーンの運営に参加することができる。
  • 2021年7月21日、ビットコインが再び下落。1カ月ぶりに3万ドル割れ。世界的な新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて株価が下落するなか、リスク回避の動きが波及した。
  • 2021年7月19日、金融庁は暗号資産やデジタル通貨などデジタル技術を使った新たな金融サービスの実態やリスクを議論するための「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」を立ち上げると発表。26日に初会合を開く。研究会の目的について「民間のイノベーションを促進しつつ、利用者保護を適切に確保する」とした。
  • 2021年7月16日、中国人民銀行は、デジタル人民元に関する白書を公表。6月末までに飲食店や交通機関など132万カ所で実験し、試用した金額は345億元に達した。具体的な発行スケジュールへの言及は避けた。関係者によると、冬季五輪開催時に現地で実験を重ねて、22年にも正式発行する方針。
  • 2021年7月14日、ECBは、CBDCであるデジタルユーロの発行に向け、本格的な準備を始めると発表。中銀として安全なデジタル決済手段の提供を目指す。金融システムが混乱しないように準備を進めるため、発行は26年以降となるとみられる。
  • 2021年7月12日、10日閉幕のG20財務相・中央銀行総裁会議で「グローバル・ステーブルコインは法律、規制が整うまでサービスを開始すべきではない」との文言を声明に盛り込んだ。
  • 2021年7月6日、エルサルバドル政府は、ビットコインを9月から法定通貨の一つにする。公式の電子財布「CHIVO(チボ)」の導入を発表。電子財布(ウォレット)を設け、登録者には30ドル相当のビットコインを配布する方針。CHIVOは「かっこいい」を意味するスラング。国民はチボのアプリをダウンロードし、電話番号の登録や顔認証による本人確認を済ませた後、30ドル相当のビットコインを受け取れる。ビットコインはもう一つの法定通貨、米ドルと交換できる。そのためのATMを1500台設置する計画も進められている。

2021年6月


  • 2021年6月23日、世界のマイニング業者がテキサス州に殺到。安い電力料金が目的。代表的な仮想通貨であるビットコインの地理的な採掘シェアの6割強を中国が占めていたが、勢力図が変わる可能性がある。
  • 2021年6月23日、国際決済銀行は、デジタル通貨(CBDC)について新たな報告書をまとめた。国境をまたぐ取引で3つの類型を挙げ、国際化の可能性を示唆。資金洗浄などの犯罪を防ぐため、デジタルIDに基づく本人認証が重要との考えも明記。巨大IT企業が閉じた決済網を築くのではなく、CBDCというインフラを土台に決済サービスを競うべきだとの思惑を強く反映した。
  • 2021年6月21日、中国人民銀行は、一部の銀行や決済機関に対し仮想通貨の取引に絡むサービスを顧客に提供しないよう指導。投機的な取引が金融市場をゆがめ、海外への違法な資金移転を助長していると警戒している。
  • 2021年6月21日、分散型金融(DeFi、ディーファイ)と呼ばれる暗号資産市場の新しい仕組みが広がっている。仮想通貨の売買や貸し借りなどを無人で提供。200種類以上の金融サービスがあり、土台となる資産のプールは5月中旬に約9兆円を超えた。ただ、本人確認なく利用できる匿名性の高さや利用者保護の仕組みが不十分などリスクも多い。
  • 2021年6月10日、バーゼル銀行監督委員会は、銀行によるビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)の保有を規制する案を公表。保有する仮想通貨の額に応じて資本の大幅な積み増しを求める。導入されれば、銀行は仮想通貨への投資などに動きにくくなる。具体的には、銀行がビットコインなどの仮想通貨を保有する場合、同額以上の資本を積むように求める。資産の種類によって異なるリスクウエートと呼ばれる数値を1250%と高い水準に設定する。
  • 2021年6月8日、エルサルバドルの議会はビットコインを法定通貨にする法案を賛成多数で可決。ビットコインの法定通貨の採用は世界で初。90日後に法制化される。「ビットコイン法」と名付けられた法案では、ビットコインで税金の支払いが可能になる。すべての経済主体はビットコインでの支払いを受け入れる必要がある。ビットコインと米ドルの交換レートは「金融市場で決まる」とした。
  • 2021年6月8日、エルサルバドルのブケレ大統領は、ビットコインを政府が法的に認める法定通貨にする考えを示した。実現すれば世界初とみられる。エルサルバドルの人口は640万人、法定通貨として米ドルを採用している。ドルとビットコイン両方を法定通貨とする考えとみられている。同国はGDPの2割を海外の出稼ぎ労働者からの送金が占めており、ネット環境さえあれば送金できる利便性から今回の検討に至ったもよう。
  • 2021年6月4日、G7財務相会合開幕。コロナ禍からの経済回復や国際課税ルールのほか、デジタル通貨が主要議題。特に中国が開発を進めるデジタル人民元へのけん制を強める。一帯一路に関連する周辺国で新たな通貨圏が広がる可能性もあると警戒感が強まっており、問題点の整理を進める。
  • 2021年6月1日、コインベースはアップルやグーグルと提携し、暗号資産で買い物ができるコンベースカードを始めると発表。
  • 2021年6月1日、ビットコインの5月の月間下落率は33%と18年3月以来の大きさとなった。中国でマイニングや取引を対象にした新たな規制が発表され、消費電力を理由にテスラがビットコインの決済での利用を中止したことなどが重なったことが背景。

2021年5月


  • 2021年5月25日、日銀はCBDCに関する情報技術面の課題を整理した報告書を発表。各国のCBDC間で円滑に決済できるようにデータの伝送技術などの標準化を進めることが「極めて重要だ」と指摘した。
  • 2021年5月24日、HSBCのクインCEOは、暗号資産の投資サービスやトレーディング事業に参入する計画はないことを明らかにした。価格変動が激しく透明性に欠けるとしている。一方、CBDCについては、国際取引を促進し、コストを削減することにもつながるとして英国や中国など複数の国と協議しているとしている。
  • 2021年5月20日、OECDはデジタル課税の国際ルールづくりで、米国の新提案を採用する調整に入った。利益率と売上高の規模による簡素な線引きで世界100社程度が課税対象になる。21年半ばの合意を目指す。
  • 2021年5月20日、米財務省は、1万ドル以上の暗号資産を受け取る取引は内国歳入庁(IRS)に報告しなければならないとの規制強化の方針を公表。脱税など不正行為を防ぐ狙い。
  • 2021年5月20日、FRBは、夏にもデジタル決済サービスなどに関する調査報告書を公表する計画。デジタル通貨(CBDC)の検討も含まれるとしている。
  • 2021年5月19日、暗号資産が軒並み急落。ビットコインは4万ドル割れ。中国で18日付で金融機関に対し、暗号資産関連サービスを禁じる通知が示されたと報じられた。売り注文の急増でコインベースなどの暗号資産交換所で一時取引に障害が発生した。
  • 2021年5月12日、テスラは、暗号資産ビットコインは環境に大きな負荷をかけるとして、ビットコインによる支払いの受付を停止すると発表。これを受けてビットコイン価格は一時16%の急落。
  • 2021年5月12日、フェイスブックは、リブラの米国における事業を優先するための体制変更を公表。当初、複数の通貨のバスケットを裏付けとする世界共通の仕組みを目指していたが、米ドルを裏付けとするステーブルコインの発行を優先する。スイス金融市場監督機構(FINMA)への免許申請を取り下げ、米財務省にマネーサービス事業者としての登録を目指す。本部機能もスイスから米国に移す。
  • 2021年5月10日、イーサリアムが4000ドルを一時突破。年初来5倍以上の上昇となった。時価総額は4603億ドル。機関投資家の参入やNFT利用で期待が高まっている。
  • 2021年5月5日、暗号資産関連のギャラクシー・デジタル・ホールディングスは、デジタル資産の管理・保管業務を行うビットゴーを買収すると発表。。買収総額は12億ドルで仮想通貨業界のM&Aとしては過去最大。
  • 2021年5月5日、暗号資産ドージコインが一時1ドージコイン=0.696495ドルと過去最高値をつけ急伸。5月に入って約2倍となった。テスラのイーロン・マスクCEOがツイッターでたびたびドージコインに言及し、関心を集めている。

2021年4月


  • 2021年4月14日、コインベースグローバルがナスダックに上場。初値は381ドルと参考価格(250ドル)を52%上回った。初値を付けた直後は429.54ドルまで上昇したが、その後は急速に伸び悩んだ。
  • 2021年4月13日、ビットコインが6万3000ドルを上回り、最高値を更新。今年に入って2倍上昇している。暗号資産交換会社コインベースが14日に上場することも追い風となっている。
  • 2021年4月5日、日銀はデジタル通貨(CBDC)の第1段階の実証実験を同日から始めたと発表。基本的な機能に不具合がないか検証する。第1段階は2022年3月までの予定で、第2段階はお金の保有額などに条件を設ける実験をし、セキュリティー対策なども検証する。第3段階は民間事業者や個人を想定したパイロット実験に進む。

2021年3月


  • 2021年3月29日、決済サービス大手VISAは、米ドルに連動する暗号資産「USDコイン」での決済を認める方針だと発表。VISAはUSDコインを暗号資産の決済プラットフォームで試験運用中で、年後半に決済できる場を増やす計画だとしている。
  • 2021年3月26日、日銀はデジタル通貨(CBDC)に関する官民の連絡協議会を立ち上げた。日銀の内田真一理事は実証実験を4月からスタートすると表明した。
  • 2021年3月24日、テスラのイーロンマスクが「ビットコインでテスラを購入できるようになった」とツイート。現時点では米国内の顧客が対象で、年内に米国以外でも可能なるとしている。
  • 2021年3月22日、パウエルFRB議長は討論会で、デジタルドルの可能性に関して「急ぐ必要はない」と強調。研究を続ける重要性は強調しつつ、デジタルドルの前進には議会や政府、幅広い公衆の支持が必要とした。暗号資産の現状については「変動が激しく価値の裏付けがない。ドルというより金の代わりの投機的資産」と指摘した。
  • 2021年3月13日、ビットコインが6万ドルの大台を突破。時価総額は1.1兆ドルを上回り、グーグルの持ち株会社アルファベットの時価総額1.39兆ドルに迫っている。ビットコインは金融緩和によるカネ余りや決済利用の拡大期待で年初来で2倍になっている。

2021年2月


  • 2021年2月25日、米国最大の暗号資産取引所のコインベース・グローバルが、米証券取引委員会(SEC)に上場を申請。同社のプラットフォーム上で顧客が保有する資産は昨年末時点で900億ドルとなり、同時点で世界の仮想通貨の11%を占めたことがわかった。
  • 2021年2月24日、ブロックチェーン技術のコンサルティングを手掛けるハッシュポートは、法人事業者向けに暗号資産(仮想通貨)関連のシステム開発を手掛けるフレセッツと合併する。3月1日付でフレセッツから事業譲渡を受け、合併を完了させる。
  • 2021年2月24日、中国人民銀行は、香港やタイ、アラブ首長国連邦の駐大生銀行とデジタル通貨の決済システムについて共同研究を始めると発表。外国送金や為替決済の仕組みも研究する。デジタル通貨のルール作りで先行する。
  • 2021年2月23日、ビットコインが一時4万4964ドルまで下落。21日には5万8332ドルの過去最高値を付けており、2日間で2割強の下落となった。イエレン米財務長官が22日に「ビットコインの取引は非常に非効率的で、利用には注意が必要」と述べたことから警戒の売りが出た。
  • 2021年2月19日、ビットコインが5万5000ドルを突破。機関投資家や企業によるビットコイン投資や関連事業への参入が相次ぎ、先高観が強まっている。コインデスクによると、時価総額は1兆300億ドルと1兆ドルを初めて超えた。
  • 2021年2月16日、ビットコインが初の5万ドル台を突破。昨年比7割以上の上昇。時価総額は約9400億ドルに達し、機関投資家の間で主要な金融資産の1つとみなす動きが急速に広がっている。
  • 2021年2月14日、ビットコイン価格が一時49600ドルを突破。13日にモルガンスタンレーの投資部門がビットコインへの投資を検討しているとブルームバーグが報じた。
  • 2021年2月11日、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンがデジタル資産の信託業務を手掛ける部門を新設すると発表。取引や保管だけでなく、発行などに関連したサービスも提供し、当局の承認を得て、年内に業務を開始する。
  • 2021年2月10日、クレジットカード大手マスターカードは、年内に一部の仮想通貨の決済使用を認める方針を示した。
  • 2021年2月8日、ビットコイン急騰。EV大手テスラがビットコインを約15億ドル購入したと明らかにし、他の仮想通貨や関連株も軒並み急上昇した。テスラは米時間8日朝、米証券取引委員会に提出した資料でビットコイン投資を明らかにした。現金の運用先について「多様化し収益を高めるよう投資方針を改めた」と説明している。テスラ製品の購入も近くビットコインで支払えるようにする。

2021年1月


  • 2021年1月21日、ビットコイン価格急落。前日比10%超安い3万1000ドル台を付けた。同じ人物が使用済みのビットコインを再び使う「二重使用(ダブルスペンド)」疑惑が浮上し、信用低下を懸念した売りが出た。
  • 2021年1月14日、ビットコインが14日、一時4万ドルを回復。バイデン次期大統領による追加経済対策の発表を14日夜に控えて投資家心理が改善し、リスク資産とされる仮想通貨への資金流入を促した。また、13日、ラガルドECB総裁がビットコインなど仮想通貨の規制強化に言及。「規制強化はむしろ安全な取引につながり、先行きの機関投資家の参入を促す」との楽観が広がった。
  • 2021年1月12日、ゴールドマン・サックスのジェフ・カリー氏は、ビットコインについて「機関投資家の保有比率は1%程度にとどまる」と指摘。上昇相場を支えてきたとみられているが、実際はまだわずかだと述べた。カリー氏は相場を安定させるには機関投資家の参加を増やす必要があるとした。
  • 2021年1月12日、中国の上海市でカードにチャージした「デジタル人民元」を使用する実証試験が初めて行われた。スマートフォンでの試験をしてきたが、操作に難がある高齢者らの利用を想定した。
  • 2021年1月11日、ビットコインが3万300ドル近辺まで下落。8日に付けた4万2000ドル近くの過去最高値から3割弱下落。急落の理由については英金融行為監督機構が仮想通貨の投資に警鐘を鳴らしたことや、米長期金利上昇でビットコインと裏表の関係にあるドル安に一服感が出たことなどが指摘されている。
  • 2021年1月7日、ビットコインの価格が7日午後に初めて4万ドルに乗せた。過去1年で5倍に上昇し、この3か月間は上昇に勢いがついている。世界の中央銀行の金融緩和とドル安を背景に、ドルの代替通貨として買いが入っている。米著名投資家も年に前向きで話題となっている。一方、値動きに着目した個人などの投機的な売買も指摘されている。

2020年12月


  • 2020年12月23日、SECが米リップル社が取り扱う仮想通貨「XRP」を有価証券とみなし、投資家保護に違反したとして提訴。
  • 2020年12月17日、暗号資産交換会社のコインベース・グローバルが、上場に向けて米証券取引委員会に書類を提出したと発表。実現すれば米国を拠点とする仮想通貨交換会社による初めての上場となる。
  • 2020年12月16日、ビットコインが初めて2万ドル台に上昇。金融緩和でマネーがあふれるなか、機関投資家の資金が流入している。
  • 2020年12月11日、政府と日銀はCBDC(デジタル通貨)について、双方の幹部が参加する連絡協議会を21年春にも立ち上げる方針。
  • 2020年12月1日、ビットコインの価格が1万9800ドル台に乗せ、3年ぶりに過去最高更新。株式や債券とは値動きが連動しない代替資産として保有する動きが加速しているうえ、決済手段としての利用に期待を込めた個人マネーも流入している。

2020年11月


  • 2020年11月29日、リブラが来年1月にも発行される可能性があると英紙フィナンシャル・タイムズが報じた。単一通貨を裏付け資産とする「米ドル版リブラ」から始めるとしている。
  • 2020年11月26日、ビットコインドル建て価格が3000ドルの下げ。米国の感謝祭の祝日で市場参加者が激減。は法定通貨に比べると流動性が低く、参加者減少の影響を受けた。下げのきっかけは一部の投機筋によるまとまった規模の利益確定売り。
  • 2020年11月12日、ビットコインが18年1月以来の高値。ペイパルの参入で、仮想通貨決済の裾野が広がるとの期待が広がり、ビットコインが買われている。
  • 2020年11月3日、仮想通貨交換業FXコインは、暗号資産の価格変動リスクを回避する仕組みを構築する。送金時に将来受け取る価格を固定できるようになれば、企業や機関投資家の活用が増えると見込む。11月にも実証実験を始める。

2020年10月


  • 2020年10月25日、中国はデジタル人民元の実験を北京の市内や天津市、上海市、広州市、重慶市など主要都市を網羅する28地域に広げる。中国人民銀行デジタル通貨研究所の穆長春所長は「今後の実験は決済以外の新たな機能も発表していく」と語った。
  • 2020年10月23日、中国人民銀行は、法定通貨の人民元にデジタル通貨も加える法制度を固めた。22年2月の北京冬季五輪までの発行が念頭にあるもよう。民間のデジタル通貨の発行も禁じ、貨幣の供給が不安定になるのを防ぐ。
  • 2020年10月21日、オンライン決済大手の米ペイパルHDが暗号資産による支払いサービスを始めると発表。
  • 2020年10月19日、パウエルFRB議長は、デジタル通貨を「最先端で研究していく」と表明。民主党に推進論がある一方、共和党は民間主体の電子決済を後押しする。
  • 2020年10月15日、神山日銀決済機構局長は、デジタル通貨の実証実験について21年度中に第2段階に移行したいとの考えを示した。日銀は3段階の実験を想定しており、21年春にも第1段階を始める予定。
  • 2020年10月13日、G7財務相・中央銀行総裁会議で、デジタル通貨に関する共同声明をまとめ、国際通貨システムの信認は透明性や法の支配が支えていると強調し、先行する中国をけん制した。ステーブルコインについては、「法律・規制・監督上の要件に十分に対応するまではサービスを開始すべきではないとの立場を維持する」と表明した。
  • 2020年10月12日、黒田日銀総裁は、デジタル通貨発行について「民間の決済サービス事業者を置き換えたり排除したりするものではない」とし、中銀が民間金融機関に通貨を供給しrw民間が企業や消費者に決済サービスを提供する「2層構造を維持すべきだ」と述べた。
  • 2020年10月12日、中国の深センで市民5万人が参加するデジタル人民元の実証実験が開始した。期間は約1週間で、参加者は専用アプリでデジタル人民元200元分を受け取り、市内のスーパーなどで使用する。
  • 2020年10月9日、日銀は、デジタル通貨の実証実験を21年度に実施すると発表。中銀グループが同日に公表した実際に発行する際の基本原則に沿ったものである。
  • 2020年10月9日、先進国の中央銀行グループがデジタル通貨(CBDC)の報告書をまとめた。先行する中国をにらんで主要中銀が歩調を合わせ、発行時の混乱を防ぐ。報告書では発行の際の3つの基本原則を提示した。各中銀が政策目標とする物価の安定や金融システムの安定を損なわないこと、現金や他のタイプの通貨との共存、決済分野の技術革新や効率性の向上の3つとなっている。
  • 2020年10月6日、英国の金融当局、金融行為監督機構は、暗号資産のデリバティブやETNの個人向けの取り扱いを2021年1月6日から禁止することを決定。デリバティブやETNの価値評価を消費者がするのは難しいと判断した。

2020年9月


  • 2020年9月24日、欧州委員会がデジタル通貨の規制案を公表。デジタル通貨の発行体にEU内に拠点を置くよう求める。24年までに包括的な規制の導入をめざす。具体的な規制作りを本格化させたことで、日米中なども対応を迫られる。
  • 2020年9月11日、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダは、デジタル通貨への厳しい規制を求める声明文を公表。法や規制上の問題などが解決するまでEU域内での発行を認めず、準備金の運用などに厳しい制限を課すことが柱となっている。念頭にあるのはステーブルコインと見られる。
  • 2020年9月3日、ベイリーBOE総裁は、デジタル通貨や決済の進化について、基準策定が後を追うことがあってはならないとし、新たな決済手段として効率化につながる期待がある一方、利用者や金融安定を守る規制の枠組みが欠かせないと強調した。

2020年8月


  • 2020年8月24日、コインチェックは仮想通貨を使った資金調達の支援事業を始める。第1弾はLink-Uなどが立ち上げた共同出資会社で、10億円の調達を目指す。発行後はコインチェックで取引できるようにする。

2020年7月


  • 2020年7月15日、日本政府が中央銀行のデジタル通貨の検討を公式に掲げる。近く閣議決定する経済財政運営と改革の基本方針に盛り込む。
  • 2020年7月2日、日銀は、デジタル通貨(CBDC)の技術面の論点をまとめたリポートを公表。課題解決に向けて実証実験に乗り出す方針を明らかにした。実用化には現金同等の機能を持つ必要があると指摘しており「誰でも、いつでも、どこでも安全・確実に利用できる決済手段」という役割を求め、そのための技術的な課題を洗い出した。多様なユーザーが利用可能な端末の開発が重要としている。また環境に左右されずにいつでも利用できる強靭性も課題としており、オフラインの環境でも決済できる機能の確保を求めている。

2020年6月


  • 2020年6月17日、パウエルFRB議長は米下院委員会の議会証言で、中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)について、真剣に研究していく案件の一つと述べた。
  • 2020年6月10日、オランダの暗号資産技術ビットフューリーは、7月にビットコインのマイニング事業に投資する日本初のファンドを立ち上げる。ビットフューリーは分散投資先としての需要も高まると見ている。
  • 2020年6月9日、米サイファートレースは、20年1-5月に約14億ドルの暗号資産が詐欺や盗難で流出したと発表。在宅勤務者を狙うなど新型コロナウイルスの感染拡大に便乗する犯罪が増えた。マカフィーの調査によれば、新型コロナと関連させたサイバー攻撃の脅威はドイツや台湾、日本で増えているとしている。

2020年5月


  • 2020年5月26日、中国がデジタル人民元を22年2月の北京冬季五輪までに発行する方針。国務院関係者は、年末までに実験結果をまとめるとしている。
  • 2020年5月11日、ビットコインの供給量が日本時間の12日午前に半分となり、需給の引き締まりやインフレへの抵抗力が高い資産として見直されており、投資家の資金が流入している。

2020年4月


  • 2020年4月16日、リブラの運営団体が、ドルをはじめとする個別の通貨に連動するデジタル通貨を発行すると発表。当初は複数の通貨のバスケットを裏付けとする世界共通の仕組みとする予定だったが、金融当局などの反発を受けて軌道修正した。通貨のバスケットを裏付けとするデジタル通貨の発行も実現を目指す一方、個別通貨連動型を加え「ドル版リブラ」「ユーロ版リブラ」などが併存する形となる可能性が高い。

2020年3月


  • 2020年3月23日、ビットフライヤーの平子恵生代表取締役が22日付で辞任し、三根公博取締役が代表取締役代行に就任。
  • 2020年3月12日、BOEは、中銀デジタル通貨をめぐり、今後の議論のたたき台となるディスカッションペーパーを公表。決済の効率化などの前向きな可能性とリスクの両面があるとし、外部から意見を募って議論を深める。6月12日まで意見を受けつけて検討材料にする。
  • 2020年3月10日、SBIFXトレードと楽天ウォレットは、20年度に仮想通貨分野で証拠金取引サービスを開始する。取引の安全性が高まるとの期待から活発な売買が見込めると判断した。

2020年2月


  • 2020年2月27日、雨宮日銀総裁は、決済機構局内に中央銀行デジタル通貨の研究チームを立ち上げたと述べた。同局幹部ら若干名で構成するとし、発行のメリットとリスクや課題についてしっかり検討していく必要があるとした。
  • 2020年2月23日、麻生財務相はG20財務相・中央銀行総裁会議で、デジタル通貨について国際社会での普及に備えた課題を整理すべきだとの認識を表明。中国を念頭に金融安定化や国際通貨システム上の課題にも十分備えるべきだとした。
  • 2020年2月17日、BISは世界66カ国・地域の中央銀行を対象にした中銀デジタル通貨(CBDC)に関する調査結果をまとめた。約8割が「現在、何らかの作業に取り組んでいる」と回答。1割が3年以内、2割が6年以内に発行する可能性が高いと回答。BISは先進国より新興国が発行に前向きだと分析している。
  • 2020年2月12日、パウエルFRB議長は米上院銀行委員会で「中央銀行によるデジタル通貨(CBDC)について、最前線で分析していくことが我々の責務だ」と主張し「ほかの中銀と協業していく」と述べた。、リスクとして「サイバー攻撃や個人情報の保護などが懸念され、検討課題はたくさんある」とも指摘した。

2020年1月


  • 2020年1月24日、麻生財務相は、中央銀行によるデジタル通貨発行の可能性について「信用性を考えないといけない」と述べ、慎重な検討が必要だとの考えを示した。
  • 2020年1月23日、Facebookのデビッド・マーカス氏がダボス会議でリブラの早期の事業開始について「楽観している」と述べた。1-2年内の開始について問われると「近い将来に始めたい」と答えた。
  • 2020年1月21日、日銀、ECB、BOE、スウェーデン中銀、スイス国民銀行、カナダ銀行とBISは、中央銀行によるデジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)の発行を視野に新しい組織をつくると発表。リブラや中国のデジタル通貨など、決済をめぐる国際的な環境が激変していることに対応し、安全で利便性の高い決済手段の確立をめざす。具体的には、既存の決済システムと比べた優位性を研究するほか、CBDCに金利を付けるのかどうか、付利する際にはどのような手法があり得るのかといった論点を詰める。
  • 2020年1月14日、コインチェックがシステム障害で取り扱い通貨の売買注文を停止。チャート画面に不具合があった。同社は外部からの攻撃や通貨の流出、情報漏洩などはないとしている。
  • 2020年1月10日、金融庁は仮想通貨の証拠金取引のレバレッジを2倍までとする方針を固めた。これまで明確なルールはなかった。20年春に施行となる改正金融商品取引法の内閣府令で定める。
  • 2020年1月7日、マイニング装置の大手の中国ビットメインが社員の約半数の削減に乗り出したと中国の複数のメディアが報じた。ビットコインの価格が落ち込み、事業縮小を余儀なくされた。20年中に米国で上場を計画しているとされるが、実現が不透明になっている。

2019年12月


  • 2019年12月30日、中国で1月1日に暗号法が施行される。ブロックチェーンを育ててデジタル人民元の発行に向けた法整備を進める。中国共産党によるインターネット空間の統制を一段と強める狙いもある。
  • 2019年12月29日、仮想通貨のみなし業者がゼロになったことがわかった。改正資金決済法施行から2年半ですべての業者が正式な登録業者になった。
  • 2019年12月26日、エストニアのカリユライド大統領は、リブラについて「通貨として成り立たない」と指摘。マネーロンダリングに悪用されることを懸念した。同国は行政のデジタル化を進めるIT先進国だがデジタル通貨については否定的な見方を示した。
  • 2019年12月25日、東海東京フィナンシャル・ホールディングスが仮想通貨交換業運営の中国のHuobi(フォビ)の日本法人フォビジャパンに出資し、ビットコインなどの売買を提供する。IEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)業務も展開するもよう。親会社のフォビは仮想通貨交換業の世界大手で東海東京は約5億円を出資して4%強の株式を保有する大株主になる。
  • 2019年12月9日、インターコンチネンタル取引所傘下の仮想通貨取引会社バックト(Bakkt)がビットコインのオプション取引を開始。
  • 2019年12月5日、EU財務相理事会で、リブラのようなデジタル通貨について、リスクが特定されて対処されるまでは発行を認めないことで合意。デジタル通貨規制のために、新たなルールづくりに着手することも決めた。
  • 2019年12月5日、EUはステーブルコインの利点を評価する声明を発表。また、ユーロを発行するECBやその他の欧州の中央銀行に対して、デジタル通貨発行の検討を要求した
  • 2019年12月4日、MUFGとリクルートはデジタル通貨の共同出資会社を20年に設立する。出資比率はMUFGが49%、リクルートが51%になる見通し。MUFGは独自開発してきた決済やポイントサービスに使えるデジタル通貨の運営を新会社に移し、まずリクルートの求人や飲食店予約などのサービス上で流通させる見込み。

2019年11月


  • 2019年11月25日、ビットコイン急落。中国人民銀行が暗号資産取引の取り締まりを強化する意向を示したことが嫌気された。ロイター通信によれば上海で暗号資産取引における違法行為の取り締まりを強化するとしている。
  • 2019年11月22日、コインチェックは蓮尾聡・マネックスグループ執行役が新社長に就任したと発表。経営管理体制の強化にめどをつけ、今後の事業拡大を図る。
  • 2019年11月20日、金融活動作業部会が日本政府や金融機関への実地審査に入った。仮想通貨の規制や交換業者の対策が焦点となっている。
  • 2019年11月6日、金融庁は19年中にも仮想通貨を投資対象とする投資信託の組成と販売を禁止するルールをつくる方向。金融商品の組成や販売を手掛ける業者を監督する指針を年内にも改定する。現状、日本には仮想通貨を投資対象とする投信はまだ売られていないが、仮想通貨に過度な資金が流入しないよう規制する。
  • 2019年11月6日、米テキサス大学のジョン・グリフィン教授とオハイオ州立大学講師のアミン・シャムス氏が発表した論文で、ビットコインの価格がある特定の市場参加者によって操作されていた可能性が高いと指摘されている。グリフィン教授らは、2017年3月から18年3月末にかけて交換会社ビットフィネックスに口座を持つある特定の市場参加者がテザーを使ってビットコイン価格を下支えしていたとしている。ビットコインが下落している局面で、特定の市場参加者がテザーを使ってビットコインを大量に購入し、その後ビットコインの価格が上昇するパターンが確認されたとしている。ビットフィネックス社とテザー社の経営陣は同じ人物らが務めており、米司法省やニューヨーク州の司法長官など複数の当局が準備金の管理や価格操作などの疑いで捜査にあたっている。

2019年10月


  • 2019年10月26日、25日の中国共産党会議で習国家主席が「共産党がブロックチェーンを革新的ブレークスルーのコア技術とみなし、テクノロジー開発の推進に取り組むべきだ。ブロックチェーン分野で世界を牽引する地位を確保するよう推進する」と発言し、ビットコインなど仮想通貨が急騰した。
  • 2019年10月23日、FacebookのザッカーバーグCEOはリブラについて米議会で証言し、当局の承認がなければどの地域にも導入しない考えを明らかにした。一方、中国もリブラと同様の計画を進めているとして、米国が革新を起こさなければ金融分野での主導権は保証されないとも述べた。
  • 2019年10月23日、グーグルが量子コンピューターを使って複雑な計算問題を極めて短時間で解いたと発表。ビットコインのセキュリティが機能しなくなるとの懸念が出ている。量子コンピューターが実現すると、保有ビットコインを守るパスワードにあたる「秘密鍵」を公開情報から解読できてしまう可能性があるとの指摘がある。一方、グーグルの量子コンピューターは仮想通貨の暗号化技術を解読できるほど発達していないとの見方もある。
  • 2019年10月18日、G20財務相・中央銀行総裁会議が閉幕し、Facebookのリブラなどのデジタル通貨について「深刻なリスク」があるとの合意文書をまとめた。懸念を払拭できるまで、当面は各国が発行を認めない方針。合意文書には、「サービス開始前に吟味され、適切に対処される必要がある」と明記された。
  • 2019年10月16日、みずほ銀行の藤原弘治頭取はデジタル通貨「Jコインペイ」を使った法人向けの経費精算を今年度内に始めると明らかにした。人手不足に悩む企業の省力化などへの解決策として浸透させ、差別化を図るとした。Jコインは小売店での買い物や利用者間で無料送金ができる。
  • 2019年10月14日、リブラ運営団体が正式発足。参画した企業・団体数は当初計画の3/4になった。
  • 2019年10月11日、ネット通販イーベイや米決済サービスのビザがFacebookのリブラの発行団体への加盟を見送ることを明らかにし、米決済大手のマスターカードも参画を見送ると報じられている。20年の発行開始が遠のく可能性が強まった。
  • 2019年10月9日、米下院金融委員会が23日に公聴会を開き、FacebookのザッカーバーグCEOを証人として招くと発表。リブラの法令順守体制の構築などについて説明を求める見通し。モレノ現大統領と対立するコレア前大統領が抗議活動の中心で、混乱が続いている。
  • 2019年10月9日、BOE(イングランド銀行)はFacebookのリブラについて、「金融システム上重要な決済手段になる可能性を持っている」と指摘し、事前に適切に監督していく方針を示した。
  • 2019年10月4日、電子決済大手ペイパルHDは、Facebookのデジタル通貨「リブラ」の運営団体への加盟を見送る。規制や監督の強化を警戒したとみられる。この動きが他にも拡大した場合、リブラのサービス開始時期が遠のく可能性がある。

2019年9月


  • 2019年9月25日、ビットコインが23日に始まった初の現物引き渡し型ビットコイン先物の取引が低調で急落。
  • 2019年9月12日、フランスのルメール経済・財務相は、Facebookのリブラについて現状ではフランスは欧州での運用を認めないと表明。取引や管理で障害が起きれば金融の著しい混乱を招きかねないとした。
  • 2019年9月11日、スイス金融当局がFacebookが発行をめざすリブラについて決済システムの認可が必要との声明を発表。マネロンへの悪用を防ぐなど関連法を順守するよう求めている。
  • 2019年9月4日、みずほFGはデジタル通貨「Jコインペイ」の加盟店情報1.8慢件が流出した恐れがあると発表。人為ミスで開発用システムがインターネットからログインできる状態になっていた。ただ、預金口座番号など利用者の個人データは使っていないという。
  • 2019年9月3日、コインチェックは10日からマクロミルの「マクロミルポイント」を仮想通貨に交換するサービスを開始する。コインチェックの口座で仮想通貨に交換して受け取る。交換する仮想通貨はビットコイン、イーサリアム、リップルから選択する。

2019年8月


  • 2019年8月28日、投資評価会社モーニングスターが株主優待として9月末の株主に仮想通貨「リップル」を贈呈すると発表。一律30XRPを贈呈する。
  • 2019年8月22日、香港を拠点とする仮想通貨取引会社バイナンスがデジタル通貨「Venus(ヴィーナス)」計画を発表。ヴィーナスは「ステーブルコイン」。Facebookのリブラに似たもの。市場では「地域版リブラを目指している」との見方が広がっている。
  • 2019年8月22日、台湾の合弁会社「ビットポイント台湾」は、仮想通貨不正流出事故を起こしたビットポイントジャパンに提訴するもよう。不正流出による損害のほか、台湾の顧客に仮想通貨の取引を仲介するときに、代金として日本のビットポイントジャパンに送る資金を過剰に請求されていたとしている。
  • 2019年8月22日、テックピューロが仮想通貨交換業を廃業すると発表。交換業はフィスコグループの「フィスコ仮想通貨取引所」に譲渡していたため、顧客への返金対応が終わり次第、交換業を廃止する。
  • 2019年8月21日、欧州委員会がFacebookのリブラについてEUの競争法(独占禁止法)に基づく調査に入ったと複数の欧米メディアが報じた。反競争的な行為の可能性を調査しているもよう。リブラと関連づけられる予定のアプリである「メッセンジャー」や「ワッツアップ」なども調査対象となっているもよう。
  • 2019年8月20日、ビットフライヤーが20日からTポイントでビットコインが購入できるようにする。若年層を中心に新規顧客の獲得を狙う。ビットフライヤーに口座を持っていれば、ビットコインの購入時に現金とTポイントを選ぶこともできるようにする。Tポイント100ポイントでビットコインは85円相当購入できる。ビットコインを決済に使うと、Tポイントがたまるようにもする。
  • 2019年8月14日、SECのへスター・ピアース委員が、リブラについて、通貨でなく金融商品として取り扱われる可能性もありうるとの見方を示した。金融商品として取り扱うには、税法や金融商品規制をクリアする必要がある。通貨に代わる資産として利便性が低下する可能性もある。
  • 2019年8月12日、SECは米3社のビットコインのETF申請を承認するかの判断を今秋(9-10月)に再延期。
  • 2019年8月10日、各国政府はマネーロンダリング対策として、30以上の国・地域の政府などが参加する金融活動作業部会(FATF)が手掛ける国際組織を数年以内に稼働させる。顧客の口座番号などの情報を即時に共有し、当局が把握できるようにする。仮想通貨の取引の流れをつかみ、不正を迅速に把握して対処できるようにする。
  • 2019年8月6日、マネックスGが仮想通貨の法人向け情報サイトを立ち上げたと発表。仮想通貨やブロックチェーンを扱う企業や商品を検索できる。情報サイトの名称は「LOOKBLOCK(読み方:ルックブロック)」。
  • 2019年8月5日、リミックスポイントが仮想通貨流出で停止していた子会社ビットポイントジャパンの段階的なサービス再開を発表。取引システムの安全性が確保できたと判断した。6日ごろに法定通貨の入出金サービスを再開し、9日ごろに店頭仮想通貨の証拠金取引サービス、13日ごろに仮想通貨の現物売買取引サービス。9月ごろに送付サービス、10月中旬以降は預け入れサービスも再開するとしている。一方、新規口座開設の申し込みなどは再開未定としている。

2019年7月


  • 2019年7月28日、イラン政府が仮想通貨マイニング活動を許可した。国内使用は禁止である一方、企業が外国との決済に使うなど本格解禁に向けた布石ではないかとの見方がある。仮想通貨は監視や追跡が難しいため、米国はイランが仮想通貨を国際決済に使うことで制裁の回避を狙っていると警戒しているもよう。
  • 2019年7月26日、マネックスGの松本社長が、リブラ協会に加盟を申請したと明らかにした。日本企業でリブラ協会への加盟申請を公表するのは初。9月末に最終的な審査結果が通知される見通し。
  • 2019年7月24日、クレジットカードのビザのCEOは、リブラの運営団体への加盟は、規制要件を満たせるかどうかによると述べた。また、署名した加盟の意向表明書は、法的拘束力を持たず、まだ正式に加盟した企業はいないと説明した。
  • 2019年7月18日、G7財務相・中銀総裁会議で議長国フランスはリブラなどデジタル通貨について「最高水準の規制を満たし、信頼されるものでなければならない」とする議長総括を公表。リブラについて規制対応や金融システムへの影響などで「深刻な懸念がある」とする一方、従来の海外送金がよりコストや手間が簡単になるなど、メリットについても明記した。また「リブラは国家の通貨主権や、国際的な金融政策に影響を与える」との認識で各国が一致したことも明記した。
  • 2019年7月17日、Facebookの幹部デビッド・マーカス氏は下院公聴会で、リブラの裏付け資産の約5割がドル建てとなるとした。ひもづけられるドル資産が巨額になる可能性がある。また、ドルに加えてユーロ、英ポンド、円などが入ると述べた。人民元は入らないとした。
  • 2019年7月17日、G7財務相・中央銀行総裁会議は初日の議論を終え、リブラについて早急な対応を取る必要があるとの認識で一致した。各国はそろってリブラ構想に懸念を表明。
  • 2019年7月16日、Facebookリブラについての上院公聴会で、Facebook担当幹部デビッド・マーカス氏は、リブラは一元的にはスイス当局の監督下に入ると説明した。他の金融当局とも協議を続けながら消費者や金融システムへの影響に配慮する考えを強調。また、リブラのサービスを担うのはFacebookだけではなく、ビザやウーバーなど28社が加入する団体「リブラ連合」と述べ、リブラ利用者はFacebookをを信頼する必要はないと説明した。そして、マネーロンダリング対策として、財務省の資金犯罪取り締まりネットワーク(FinCEN)に登録するとした。適切な監督の枠組みが整わない限りリブラは開始しないともし、目標に掲げる2020年前半のサービス開始にこだわらない姿勢も示した。
  • 2019年7月15日、IMF(国際通貨基金)はリブラなどデジタル通貨に関する報告書をまとめ、マネーロンダリングなど悪用の懸念に加え、中央銀行金融政策が機能しなくなるリスクを指摘。例として、特に物価上昇率が高く、当局の影響力が弱い新興国などでデジタル通貨が普及した場合のリスクを取り上げ、デジタル通貨をインフレ目減りしかねない自国通貨には換金せず、そのまま持ち続けるリスクがあるとし、モノの価格をデジタル通貨でつけるようになり、中央銀行が金融政策を実施しても効果が薄れる可能性があるとしている。一方、中央銀行の監督が及ぶようにする仕組みづくりも提案しており、デジタル通貨の発行企業に許認可を与える条件として、既存の金融機関と同じように中央銀行への準備預金を求める制度を挙げている。
  • 2019年7月15日、ムニューシン財務長官はリブラについて「深刻な懸念を持っている」と表明。マネーロンダリング懸念があるため、既存の金融機関と同様に悪用対策の規制に従う必要があると指摘した。既にFacebookには当局の懸念を直接伝達して協議を進めているという。制度設計に関して見直しを求めていく考えで、マネーロンダリング防止やテロ資金供与対策を同社も実施する必要があると明言した。
  • 2019年7月15日、Facebookのリブラ構想に関する上院公聴会での同社幹部デビッド・マーカス氏の冒頭証言要旨が明らかとなり、規制当局の承認を受けるまでリブラを使った金融サービスを提供しないと明言するもよう。当局は審査に1年以上かかるとしており、同社が2020年前半とするサービス開始は遅れる可能性が高まった。
  • 2019年7月14日、リミックスポイントが、不正アクセスによる暗号資産の流出額が約30億2000万円だったと発表。加えて、これとは別にビットポイントが取引システムを提供している海外の交換所でも2.5億円ていどの流出が見つかったと発表した。
  • 2019年7月12日、ビットポイントジャパンと親会社のリミックスポイントが不正アクセスで約35億円相当の仮想通貨が流出したと発表。同社は6月28日に金融庁が業務改善命令解除をしたばかりだった。これを受け金融庁は同社に報告徴求命令を出すことを決定した。リミックスによると、流出した35億円のうち25億円が顧客資産、残りが会社保有分だったとしている。
  • 2019年7月12日、政府はFacebookのリブラを巡って財務省、金融庁、日銀が10日に当局連絡会を設置したと発表した。マネーロンダリング防止や為替への影響など幅広く論点を出し合うもよう。
  • 2019年7月11日、パウエルFRB議長は上院議会証言で、Facebookのリブラについて「リスクを極めて慎重に審査する必要があり、それが1年以内に完了するとは思わない」と述べた。リブラは20年前半の実用化を目指しているが、当局の認可が遅れて計画自体がずれ込む可能性がある。
  • 2019年7月11日、G7はFacebookのリブラへの規制のあり方について議論を開始する。まずは課題を洗い出し、規制枠組みの設計に向けた議論をするため17-18日の財務相・中央銀行総裁会議で「リブラ型暗号資産に対する規制枠組みの創設」を正式なテーマとすることを決めた。議長国のフランスは6月末に各国中銀の専門家による作業部会をつくることを決定しており、17日に作業部会からの報告を受けたうえで、規制に向けた課題の設定に着手する。
  • 2019年7月10日、パウエルFRB議長は下院議会証言で、Facebookのリブラについて、マネーロンダリング金融システムの安定面に懸念があるとしつつ、導入に向けては忍耐強く見直す必要があると述べた。
  • 2019年7月5日、雨宮日銀副総裁は、デジタル通貨は近い将来、発行する計画はないと述べた。まずは民間のキャッシュレス決済の利便性や信頼性の向上を優先すべきとの認識を示した。
  • 2019年7月3日、英国の金融行為監督機構が、暗号資産(仮想通貨)のデリバティブなどの個人向けの取り扱い禁止を提案すると発表。値動きの荒さや本質的な価値判断が難しいことから投資家保護の面で容認できないとしている。市場関係者の意見を募って2020年1-3月中にも施行する。
  • 2019年7月2日、金融庁が6月28日に仮想通貨交換業ビットフライヤーやビットポイントジャパン、BTCボックスに業務改善命令を解除した。

2019年6月


  • 2019年6月28日、金融庁はFacebookのリブラについて「暗号資産(仮想通貨)にあたらない可能性が高い」との見解に傾斜している。ドルやユーロなどの法定通貨を裏付けとしているため、法的には一般的な資金取引や送金とみなされる公算が大きい。
  • 2019年6月25日、FSB(金融安定理事会)のトップはFacebookのリブラに厳重な審査や規制を求める書簡を各国首脳に送ったと明らかにした。G20でも議論になる可能性がある。世界27億人に上るFacebookのユーザーを潜在的な顧客基盤に抱え、国境を越えた個人間の送金やネット上の支払いなどへの利用が期待されているが、マネーロンダリング防止や消費者保護の観点から、既存金融機関と同様に規制をかける必要があるとの指摘もされている。
  • 2019年6月23日、BIS(国際決済銀行)がFacebookやアマゾン、アリババなど巨大IT企業が提供する金融サービスが、新たな難問をもたらしかねないと警鐘を鳴らすリポートを公表。一気に市場を支配する可能性があり、規制当局にリスクを抑えるための対応を促している。
  • 2019年6月22日、ビットコインが1万ドル回復。1年3カ月びりの水準。Facebookのリブラの構想に関心が集まっているほか、一部の機関投資家が投資しているもよう。
  • 2019年6月21日、金融庁は仮想通貨交換業のフィスコに、資金決済法に基づく業務改善命令を出す方針を固めた。マネーロンダリング対策などに不備があると判断した。金融庁は今秋にマネーロンダリング対策の国際審査を控えており、交換業者への立ち入り検査などを通じて内部管理体制の徹底を求める方針。
  • 2019年6月20日、カーニーBOE総裁は、Facebookの「リブラ」について、「規制当局は通貨や金融安定への影響を慎重に検討する必要がある」とし、計画通りに展開すれば金融システム上の重要性を持ちうると述べた。また、国内間や越境の決済コストを劇的に下げるかもしれないと評価しつつも、構想に寛容だが門戸開放というわけではないとも述べた。
  • 2019年6月20日、黒田日銀総裁は記者会見で、Facebookの「リブラ」発行について、仮想通貨が支払い手段として信認を得られるのか、金融決済システムにどのような影響を及ぼすのか注視したい、と述べた。
  • 2019年6月19日、パウエルFRB議長は記者会見でFacebookの仮想通貨「リブラ」について、利点もあるがリスクもあると指摘。仮想通貨が金融政策を混乱させる可能性については「中央銀行が金融政策を実施できなくなるということはあまり懸念していない」と述べた。また、規制や安全性においてFacebookに対して「かなり高い期待を持つことになるだろう」と述べた。
  • 2019年6月19日、法定通貨に価値が裏づけされた仮想通貨ステーブルコイン(安定通貨)が相次ぎ誕生している。現在50種類以上が存在し、時価総額は30億ドル程度と18年初から2倍に拡大。Facebookも独自のステーブルコインを発行すると発表し、今後普及する可能性がある。
  • 2019年6月18日、Facebookが20年に「リブラ」と呼ぶ仮想通貨を使った金融サービスを始めると発表。スマートフォンを介して利用者間で送金したり、買い物の決済に使ったりすることを想定する。発行組織には米マスターカードや米ビザなど。リブラはドルやユーロと一定比率で交換できる「ステーブルコイン」。
  • 2019年6月3日、ウォーレン・バフェット氏と昼食を共にする権利のオークションの19年落札者が仮想通貨「トロン」創設者ジャスティン・サン氏ということが明らかになった。バフェット氏は仮想通貨を懐疑的に見ているが、サン氏は「正しい情報と理解に基づけばバフェット氏は仮想通貨とブロックチェーン業界への姿勢を変えるだろう」との声明を出した。

2019年5月


  • 2019年5月31日、参院本会議で、仮想通貨交換業者や仮想通貨取引に関する規制強化策を盛り込んだ改正資金決済法と改正金融商品取引法が可決・成立。仮想通貨の取引ルールを設けて、相場操縦などの行為を禁止する。また、行政手続きでは仮想通貨の名称を「暗号資産」に改める。
  • 2019年5月30日、G20が仮想通貨のマネーロンダリング対策で、仮想通貨交換業者に登録制を導入するなど金融当局の監視強化で合意する見通し。不正送金の抜け穴をなくす。
  • 2019年5月14日、仮想通貨交換業者のビットフライヤーの18年12月期純利益は21億円だった。仮想通貨価格が低迷するなか、証拠金取引などで収益を得た。
  • 2019年5月14日、ビットコインが約9か月ぶりに8000ドル台回復。米中貿易摩擦の激化懸念の中、株式との連動性の低いビットコインが買われている。
  • 2019年5月13日、世界最大規模の仮想通貨イベント「コンセンサス」がNYで開催され、世界約80カ国から4500人以上の参加者が集まり、仮想通貨や基盤技術のブロックチェーンへの関心の強さが示された。コンセンサスの会期は13-15日。今年で5回目の開催となる。ブロックチェーン事業や仮想通貨市場、規制の動きについて議論を深めている。
  • 2019年5月9日、フェイスブックがブロックチェーン技術や仮想通貨に関する広告の掲載規約を緩和すると発表。これを受けて市場が拡大するとの思惑からビットコイン上昇。
  • 2019年5月8日、世界有数の仮想通貨交換所バイナンスが約45億円のビットコインが不正流出したと発表。原因はハッキングによってホットウォレットから引き出されたとしている。緊急用の基金から利用者に全額を補填するもよう。流出発覚後、仮想通貨の引き出しを停止している。

2019年4月


  • 2019年4月26日、ニューヨーク州のレティーナ・ジェームズ司法長官が仮想通貨取引所ビットフィネックスとステーブルコインのテザーを訴追。ビットフィネックスとステーブルコインのテザーはCEOが同一人物。ビットフィネックスが顧客資金と自社資金を混ぜて保管していたほか、提携先でパナマに拠点を持つ決済サービス企業クリプト・キャピタル関連の損失補填の為に7億ドル(約784億円)のテザーを使っていたとしている。これを受けてビットコインは急落。
  • 2019年4月23日、ソフトバンクGの孫会長兼社長が、ビットコインへの個人的な投資で1億3000万ドルあまりの損失を出したとWSJが報じた。
  • 2019年4月15日、マネーフォワードが仮想通貨交換業への参入を延期すると発表。交換業者の登録手続きやシステム開発も停止した。体制整備の費用がかさむと判断したもよう。
  • 2019年4月10日、中国が仮想通貨マイニングの禁止を検討。産業の育成方針を定めた文書草案で淘汰すべき産業に分類した。淘汰類に指定された産業は新規参入や投資が禁止されるほか、行政からの許認可を得られなくなる。草案通りになれば、マイニングの中長期的な事業の継続は難しくなる。
  • 2019年4月4日、SECICO で発行されるトークン有価証券に該当するかどうかの基準を明示。詐欺的なICOの取り締まりを進める一方、技術革新に配慮する姿勢を示した。SECは有価証券に該当する可能性が低くなる条件について説明しており、①投機目的ではなく利用者の必要を満たすために設計されている、②価値が増加する可能性が低い、③価値が上昇する可能性ではなく、機能性重視で販売されている、など。
  • 2019年4月4日、3月下旬に仮想通貨の資産運用を手がけるビットワイズ・アセットマネジメントがSECに報告書を提出。それによれば、仮想通貨取引業者が自社内のアカウントで売買を繰り返す偽装が目立つと指摘。交換所の中には買いと売りが一体となった注文が多く、昼夜で取引量が変わらないなどの不自然な点が多く見られたもよう。実体のない取引で、誘導されていたとすれば、仮想通貨業界の信頼が揺らぎかねない。
  • 2019年4月3日、カリブ海の島国バハマのケビン・ターンクエスト副首相兼財務相が、20年にも中央銀行がデジタル通貨を導入する方向で検討していると明らかにした。現金の流通に課題を抱えており、デジタル通貨発行で金融サービスを浸透させたいと期待している。
  • 2019年4月2日、ビットコイン急上昇。約4カ月半ぶりに5000ドルに迫った。を突破したことによる投機筋の買いが買戻しを誘発したと見られる。

2019年3月


  • 2019年3月28日、中国のマイニング装置大手ビットメインが香港取引所へのIPO計画を先送りする。18年9月に上場申請したが、規定の6カ月以内に認可が得られなかった。同社は同日「将来の適切な時期に再申請する」とのコメントを出した。
  • 2019年3月27日、IIJの持ち分法適用会社で仮想通貨交換会社ディーカレットが、仮想通貨をSuicaなどのチャージに使えるサービスを検討していると発表。仮想通貨の利便性を高めるのが狙い。
  • 2019年3月25日、金融庁がIIJ(インターネットイニシアティブ)傘下のディーカレットを仮想通貨交換業の登録業者にした。マネーロンダリング(資金洗浄)対策や不正アクセスの防止策など、営業開始に向けて利用者保護の体制が整ったと判断。また、みなし業者だった楽天ウォレットも正式な登録業者にした。
  • 2019年3月19日、15日に政府が閣議決定した資金決済法と金融商品取引法の改正案の柱となるのは、証拠金取引の規制。レバレッジの上限は2-4倍にする方向。また、現物以外の交換業者には別途、金商法上の登録制を開始し、登録までに1年半の期限も設け、それまでに正式登録できないみなし業者は事実上の強制退場となる。
  • 2019年3月15日、CBOE(シカゴ・オプション取引所)ビットコイン先物上場見直しを検討していることが分かった。詳細は示されていないが、商品設計の変更や上場廃止の可能性が指摘されている。CBOEの資料では、既存の先物に関しては取引を継続するが、新たな限月物は加えない。新たな限月物が追加されない場合は、6月19日に満期を迎え取引を終えることになる。
  • 2019年3月15日、政府は閣議で仮想通貨交換業者や取引に関する規制強化策を盛り込んだ金融商品取引法と資金決済法の改正案を決定。仮想通貨の呼び名を「暗号資産(crypto-assets)」に変え、サイバー攻撃による流出に備えて顧客に弁済するための原資を持つことを義務付ける。これに伴い、仮想通貨交換業者も法律上は「暗号資産交換業者」となる。ただし、この改正案では、交換業者に暗号資産の呼び名を義務付ける強制力はない。
  • 2019年3月12日、仮想通貨関連の投資を手掛ける米XBTOグループが5月中旬にもブロックチェーンやAI技術に投資する新ファンド設立へ。複数の日本の金融機関が参加する予定。運用額は6000万ドル規模を見込む。仮想通貨市況低迷で、有望な技術を持つ企業を資金面で支援する。
  • 2019年3月12日、博報堂実施のた「仮想通貨に関する生活者調査」で、購入者の約4割で投資した仮想通貨が塩漬け状態になっていることが明らかになった。
  • 2019年3月6日、仮想通貨交換会社が証券業に参入。QUOINEが年内にも認可を申請し、持株会社をつくって傘下に証券子会社を入れる方法などを検討する。リミックスポイントは年内に認可を受けて業務を開始する。仮想通貨技術を使った資金調達金融商品への多角化もにらむ。
  • 2019年3月4日、仮想通貨の管理ツールを手掛けるクリプタクトが、仮想通貨の価格変動リスクを回避するためのオプション市場の創設へ向け、オプションを手がける専門の子会社を設立、投資家のマネーを呼びこむもよう。実証実験を実施し、金融商品取引業の登録をめざす。

2019年2月


  • 2019年2月20日、仮想通貨交換会社のビットポイントジャパンがタイ進出の方針を固めた。4割出資のタイ法人ビッターブが1月31日付でタイの暗号資産取引所ライセンスを取得した。ビッターブはICO(新規仮想通貨公開)のライセンス取得も計画している
  • 2019年2月19日、18年10-12月期のICO(新規仮想通貨公開)の世界の調達額が16億4000万ドルと前四半期比33%減で急減速。各国の規制強化で投資家離れが深刻。
  • 2019年2月14日、JPモルガンが独自の仮想通貨「JPMコイン」を開発したと発表。米銀で初。ブロックチェーンを使い、企業間で即時決済を可能にする。今後は実用化に向けた準備を進める。JPMコインは、1単位につき1ドルの価値を持たせ、決済は支払い側の顧客は預金の一部をJPMコインに替え、ブロックチェーンを通じて決済相手の口座に即時に移転する。受け取った相手はJPモルガンとの間でコインとドルを交換し、決済が完了する仕組み。19年中に本格的な試験プログラムを実施する計画としている。
  • 2019年2月7日、FSB(金融安定理事会)が各国で仮想通貨行政を担う所管当局がわかる窓口リストづくりに着手。仮想通貨の国際的な連携の基盤を整える狙いで、第一歩として加盟国のどの機関が仮想通貨行政の所管窓口なのかがわかるリストをつくる。
  • 2019年2月5日、カナダの仮想通貨交換会社「クアドリガCX」で、顧客の預かり仮想通貨が引き出せなくなっとロイターが報じた。創業者だけが仮想通貨を引き出すパスワードを管理していたため技術者もアクセスできなかったとしている。今回引き出せなくなった顧客資産は150億円超。同社はカナダの裁判所に破産手続きの開始を申し立てたもよう。

2019年1月


  • 2019年1月28日、エヌビディアが18年11月-19年1月期の売上高見通しを前年同期比24%減と大幅に下方修正(市場予想は7%減)。中国の景気減速などで主力のゲーム事業やデーターセンター事業の業績が振るわず、仮想通貨マイニング向けの需要も不振が続いている。
  • 2019年1月25日、仮想通貨交換会社大手のビットフライヤーHDは代表取締役にミロク情報サービス子会社取締役の平子恵生氏が就くと発表。平子氏は子会社ビットフライヤーの代表取締役も兼ねる。
  • 2019年1月18日、政府は、レギュラトリーサンドボックスの対象に、仮想通貨の新たな決済システムを開発したクリプトガレージを認定したと発表。認定したのは仮想通貨と現金の決済を即時に信頼性を保って行うシステム。仮想通貨の交換業者同士が手持ちの仮想通貨と現金を同時に交換できる。
  • 2019年1月14日、ベネズエラのマドゥロ大統領が、ハイパーインフレの対策として最低賃金を従来の4倍となる1万8000ボリバルソベラノ(Bs)への引き上げや独自仮想通貨「ペトロ」の利用義務化を柱とした経済改革案を発表。「ペトロ」は18年2月に発行したが、ほとんど流通していないため、主要な国営企業に対し、売上高の15%をペトロで販売するよう命じた。仮想通貨ペトロを流通させることで物価抑制を狙っているが効果は不透明。今回は「1ペトロ=3万6000Bs」と発表したが、18年8月は「1ペトロ=3600Bs」と設定しており、インフレの影響で価値が1/10に下落している。
  • 2019年1月11日、マネックスGの子会社コインチェックが仮想通貨交換業者として関東財務局への登録が完了したと発表。業務改善計画の策定や実行などを通し、技術的な安全性を向上させた。勝屋敏彦社長は「登録は一里塚。将来は仮想通貨の仲介や販売など交換業に限らないサービスを創造したい」と述べた。

2018年12月


  • 2018年12月31日、DMM.comが金沢で展開するマイニング事業から撤退・ビットコイン急落と競争激化で採算がとれなくなった。GMOインターネットもマイニング装置の開発を断念しており、日本企業のマイニング関連事業撤退が続いている。
  • 2018年12月27日、みずほFGが19年3月にデジタル通貨発行へ。メガバンクが取り扱う初めてのデジタル通貨になる。買い物の決済などに利用でき、デジタル通貨をやり取りする送金手数料を無料とする。サービス加盟店に手数料をクレジットカードを大きく下回る水準にする計画。
  • 2018年12月25日、香港でマイニング装置大手の上場審査が難航。2018年上場申請した中国大手3社中、2社の上場が規定の期限内に認められなかった。最大手ビットメインの申請も認められない可能性が浮上している。仮想通貨急落で事業の先行きに不透明感が高まっていることが要因とされている。
  • 2018年12月25日、GMOは2018年12月期のマイニング関連事業で約355億円の特別損失を計上すると発表。マイニング装置自社開発に取り組んできたが、市況低迷で装置を一度も販売することなく撤退を決めた。採掘事業でも採算が悪化し、大幅な損失の計上となった。
  • 2018年12月21日、金融庁が、仮想通貨取引や交換業者への規制強化を求める有識者会議の報告書を発表。不正アクセスのリスクの備えとして、弁済原資を確保するよう交換業者に義務づけるほか、取り扱う仮想通貨の変更を事前に当局に届け出るよう求める。また、証拠金取引も規制対象に追加する。
  • 2018年12月19日、金融庁は、仮想通貨交換業者のコインチェックを改正資金決済法に基づく登録業者に認める方針を固めた。顧客の資産を守る体制が改善したと判断。年内にも発表する見通し。
  • 2018年12月18日、金融庁は、ビットコインなど仮想通貨の呼び名を「暗号資産」に改称する。G20などの国際会議で暗号資産との表現が主流であるため日本でも統一する。改称の時期は決まっていない。
  • 2018年12月14日、金融庁は、「仮想通貨交換業等に関する研究会」で、仮想通貨規制に関する報告書案を提示し、仮想通貨を原資産とするデリバティブ取引は、積極的な社会的意義を見いだし難いと指摘し、上場は現時点では認められないと明記。ICOについては、将来的に収益分配の可能性がある投資型と、事業者からサービスなどを受けるその他権利型、無権利型といった分類がされるもよう。
  • 2018年12月12日、マネックスグループの米国子会社トレードステーショングループ社長が2019年から米国の顧客向けに仮想通貨の交換サービスを提供すると述べた。
  • 2018年12月7日、ビットコインが一時3300ドルを割り、1年3カ月ぶりの安値。米国株下落によるリスクオフの動きや各国政府による規制・課税方針やマイニング参加者減少で下落に歯止めがかかっていない。

2018年11月


  • 2018年11月28日、ビットコインの価格急落で、マイナーは電力料金などコストが高止まりする中で採算が悪化し、撤退が相次いでいる。多数のマイナーの参加で取引の信頼性が保たれていたが、ビットコインのシステムに疑問符がついてきた。ビットコインが一時4000ドルを割り、価格がこの水準では増大するコストを賄えず、マイニングを続けるほど赤字が膨らむ構図になっている。マイニング装置製造の世界最大手は中国のビットメイン。同社はマイニングに必要な大量の計算を高速でこなす作業に特化した専用の集積回路を開発した。ビットメインは6月時点で8億8600万ドルの仮想通貨を保有していたが、価格急落に加えハッシュレート(採掘速度)と呼ぶマイニングに必要な計算量の増大で業績悪化が懸念されている。マイナーの参入が増えており、ビットコインのハッシュレートは上昇を続け、報酬の仮想通貨を獲得するのに必要な計算量も増えていた。大量の計算が必要になれば、マイニング装置の稼働や冷却に要する電力コストが増大する。その結果、マイナーがマイニングのコストを回収できるビットコインの損益分岐点の価格水準が上昇した。
  • 2018年11月26日、コインチェックが仮想通貨のリップルとファクトムの入金と購入を再開したと親会社のマネックスGが発表。
  • 2018年11月26日、金融庁がICOに対する新たな規制の検討へ。ずさんな事業計画による詐欺まがいの案件が相次いでおり、世界にあるICOのうち、約8割が詐欺との調査もあるため、一般投資家への流通を制限し、ICOを取り扱う業者には金融商品取引法に基づく登録制の導入も視野に入れる。
  • 2018年11月22日、政府与党が、仮想通貨交換業者などに情報を照会する制度を設ける方針(今は業者が個人情報の提供に応じる義務はない)。所得の悪質な申告漏れを防ぐ。取引にかかわる氏名と住所、マイナンバーを交換業者などに求める情報照会制度をつくる方針。与党の税制調査会で議論して2019年度の税制改正大綱に反映し、国税通則法の改正を目指す。
  • 2018年11月20日、SEC(米国証券取引委員会)ICOの取り締まり強化。ICOを使った詐欺や、SECに登録せず違法に有価証券を発行した業者の取り締まりが強化されており、規制を巡る不透明感が相場の重荷となってビットコインは1年ぶりの安値をつけている。
  • 201811月20日、米国のファンド運営会社「SENER(セナー)」への出資を無登録で募っていた勧誘グループが、出資金の9割以上を仮想通貨ビットコインで集めていた。国内の法規制は仮想通貨の普及に追いついておらず、金融商品取引法違反の穴を突いて摘発を免れる狙いがあったとみられる。
  • 2018年11月16日、JCBなどクレジットカード大手9社が年度内にも、ブロックチェーン技術を使った新たな不正防止システムを稼働させる。個人情報を含んだ詳細な手口情報を瞬時に共有できるようにする。
  • 2018年11月15日、新通貨ビットコインキャッシュ(BCH)を巡る不透明感で、ビットコイン急落。年初来安値更新。BCHの次の分裂方法を巡って、2つの開発団体の意見が対立している。分岐後にどちらが新通貨として存続できるのかなど先行き不透明感でBCHが急落し、ビットコインなど他の仮想通貨にも売りが拡がった。
  • 2018年11月14日、米国のファンド運営会社「SENER(セナー)」への出資を無登録で募ったとして、東京の勧誘グループ8人を金融商品取引法違反の疑いで逮捕。約6000人から総額約83億円を集めたと見られている。大半が仮想通貨ビットコインで出資していたもよう。セナーへの入会金を払えば元本保証で月利3-20%を配当するなどとして、ビットコインや現金で出資を募っていた。実際に資金運用されず2017年6月ごろから配当を停止していた。出資金の大半が返されていないもよう。
  • 2018年11月14日、石川電力が、12月に情報処理事業などを手掛ける新会社を通じ、マイニング専用の貸しスペースを加賀市で稼働させる。マイニングにかかる電気料金を低く抑えて利用者の利便性を高める、としている。
  • 2018年11月6日、仮想通貨交換サイトZaifから約70億円相当の仮想通貨が流出した事件で、コインの送金に使われたサーバーのIPアドレスが特定され、いずれも欧州のサーバー貸出業者のものだった。擬装や匿名化もされておらず、犯人特定につながる可能性が高いもよう。
  • 2018年11月1日、金融庁が有識者で構成する「仮想通貨交換業等に関する研究会」でICOの問題と規制に向けた論点を議論。ICOを規制する検討に入った。配当や利子を出し、投資とみなせるICOを金融商品取引法の規制対象にすることを視野に入れるもよう。詐欺まがいの案件が相次いでおり、投資家の保護を徹底する。

2018年10月


  • 2018年10月30日、仮想通貨交換会社コインチェックが新規口座開設や一部の仮想通貨の入金・購入を再開したと発表。
  • 2018年10月29日、財務相が仮想通貨取引の所得税の課税逃れを防ぐ対策を強化する。納税しやすいよう電子申告システムを充実させ、悪質な申告漏れが疑われる場合、仮想通貨交換業者に取引した個人の情報を照会できる仕組みを整える案などが浮上している(情報照会制度案)。
  • 2018年10月24日、金融庁が仮想通貨取引の過度な投機色を薄める対応に乗り出すことになった。証拠金取引を新たに規制対象にする検討に入り、レバレッジを25倍としている業者もあるが、2-4倍に抑える案が出ている。
  • 2018年10月24日、金融庁が日本仮想通貨交換業協会を資金決済法に基づく自主規制団体に認めたと発表。マネーロンダリング対策など自主規制ルールなどに実効性があると判断。金融庁の検査・監督と組み合わせ、柔軟に規制を見直すことで利用者保護につなげる狙い。
  • 2018年10月22日、ロシア証券取引所グループに対し、フィンテックベンチャーのソラミツが仮想通貨などの取引履歴などを管理するシステムを提供。独自のブロックチェーンで、安全性や拡張性を高めているのが特徴。ソラミツの技術はカンボジアの中央銀行が開発を進める同国の決済業務にも採用されている。
  • 2018年10月17日、政府税制調査会総会で、拡大している仮想通貨取引や民泊といったシェアリングビジネスなどへの対応策を議論。税務当局が正確に所得を把握できるようにするとともに、税金を払いやすくする仕組みづくりを進める必要があるとの認識で一致。専門家会合を新設し、具体策を検討する。
  • 2018年10月10日、テックビューロが、仮想通貨交換事業「Zaif」を譲渡することで、フィスコグループの仮想通貨交換業者と正式に契約したと発表。9月の不正アクセスによって流出した約45億円分の顧客の仮想通貨は譲渡後にフィスコが補償するもよう。
  • 2018年10月10日、米国で仮想通貨型の証券をベースにした不動産ファンドの発行が開始。ニューヨークの商業不動産に投資して家賃収入や物件売却益を得る。投資家はファンドの持ち分を仮想通貨で受け取り、その持ち分を仮想通貨交換会社で日々売買できるのが特徴。
  • 2018年10月3日、GMOインターネットが仮想通貨マイニング報酬が9月前月に比べ伸び悩んだと発表(前月比ほぼ横ばいの512ビットコイン)。マイニング報酬は、他のマイニング業者との競争で決まる。ビットコイン相場も低迷で、仮想通貨事業の中長期的な成長性は見通しにくいとの指摘も。
  • 2018年10月1日、仮想通貨交換会社大手ビットフライヤーHDは、子会社ビットフライヤー社長に信販会社セディナで常務執行役員を務めた鈴木信義氏、ビットフライヤーHDの社長には創業者の加納裕三氏が就くと発表。

2018年9月


  • 2018年9月28日、テックビューロが28日午後9時をもって新規顧客による会員登録の受け付けを一時停止すると発表。不正アクセスにより被害を受けた顧客資産の補償などに経営資源を注力するためとした。
  • 2018年9月27日、マイニング装置世界最大手の中国のビットメイン(マイニング装置では世界シェア7割超)は、香港取引所にIPOを申請。上場で30億ドルの資金長たちを目指しているもよう。ビットメインはマイニング事業も手掛けており、大量の仮想通貨を保有している。
  • 2018年9月26日、仮想通貨交換事業を手がけるフィスコグループがテックビューロの金融支援に乗り出す(約50億円を支援する計画)。業務の立て直しには経営権を握るのが不可欠とみており、月内の正式決定を目指す。
  • 2018年9月25日、金融庁は、不正アクセスで約70億円分の仮想通貨が流出した仮想通貨交換業者テックビューロに業務改善命令。詳細な原因究明や顧客被害への対応を求める。テックビューロの仮想通貨サービス「Zaif」は完全復旧のメドが立っていない。
  • 2018年9月25日、マネーフォワード(家計簿アプリ・法人向け会計サービス)が、仮想通貨関連ベンチャーのクリプタクトと資本・業務提携。クリプタクトは仮想通貨取引に絡んだ確定申告で複雑な損益の計算が強い。マネーフォワードの出資額は数千万円程度のもよう。クリプタクトはその資金を仮想通貨の調査・分析などに使う見込み。
  • 2018年9月21日、テックビューロが、14日の不正アクセスによる流出した仮想通貨の総額が約70億円と発表した(20日には約67億円としていた)。調査中だったビットコインキャッシュやモナコインの流出量を換算した結果、3億円増加したもよう。
  • 2018年9月21日、麻生太郎金融相は、仮想通貨交換会社テックビューロの不正アクセス流出問題について「甚だ遺憾」とし、システムとガバナンスに問題があるともし、実態を把握し直し、利用者保護で必要な行政対応をしていくとした。
  • 2018年9月20日、テックビューロは金融情報サービスを手掛けるフィスコのグループ会社から約50億円分の金融支援を受けると発表。流出したうち顧客保有分約45億円は補償する方針。
  • 2018年9月20日、金融庁が20日中にも、仮想通貨交換会社テックビューロの立ち入り検査をする方針を固めた。テックビューロは20日に不正アクセスで約67億円の仮想通貨が流出した(このうち約45億円は顧客の資産)と発表しており、これまで金融庁は業務改善命令を2度出してセキュリティー対策の強化を求めてきたが(18年3月と6月)、多額の流出を招いたため、さらなる行政処分も視野に流出の経緯などを詳しく調べる。
  • 2018年9月17日、TRIPLE-1(半導体開発)が、従来品より計算速度が約2倍の仮想通貨ビットコインマイニングに使う半導体を開発。試作品では750ワットの消費電力で計算速度は14.5テラハッシュ(テラハッシュは1秒間に1兆回の演算)。
  • 2018年9月11日、SEC(米国証券取引委員会)仮想通貨ヘッジファンドなどにSECに未登録などとの理由で罰金を科した。
  • 2018年9月9日、SEC(米国証券取引委員会)がスウェーデンの取引所に上場されているビットコインETNの米国での売買を一時差し止めると発表。
  • 2018年9月5日、ゴールドマンサックスが規制などへの対応をさらに検討する必要があるとして、仮想通貨取引計画を棚上げしたとネットメディアが報道。大手参入の期待が後退し、ビットコインなど主要仮想通貨は下落。
  • 2018年9月3日、楽天は、仮想通貨交換業の「みんなのビットコイン」を、2億6500万円で10月1日付けで買収すると発表。通販サイトなどで仮想通貨による決済需要が高まると見込んでいる。

2018年8月


  • 2018年8月19日、ベネズエラは、20日に通貨の単位を10万分の1にするデノミを実施する見通し。ロドリゲス情報大臣は、ホテルや空港、ショッピングモールなど300ヶ所に両替所を設置すると発表。準備が整っていることを強調した。通貨は「ボリバル・フエルテ」から「ボリバル・ソベラノ」になる。さらに、原油価格に裏付けされた自国の仮想通貨「ペトロ」を年金や給与など全てにひも付けし、主軸単位として計算するとしている。このペトロの価値について、マドゥロ大統領は、1ペトロ=60米ドルに値すると発表した。ただ。トランプ大統領はこのペトロについて、米国内で3月に取引を禁止しており、インドでも取引を拒否しているため、国際通貨としての価値は広く認められていない。
  • 2018年8月20日、SBIホールディングスがLastRoots(仮想通貨交換会社)の経営支援へ。金融庁から業務改善命令を受けた同社に出資し、役員として社員を派遣して管理体制を整える。持株比率は3割程度になったもよう。SBIは17年12月に少額出資しているが、8月10日にさらに出資した(数億円程度と見られている)。ノウハウを生かし点店舗での仮想通貨の普及を目指す。
  • 2018年8月17日、仮想通貨価格の下落により、半導体企業の業績が懸念されている。マイニング熱が冷め、専用機器向け画像処理半導体の需要が減ってきており、仮想通貨バブルがしぼむと、通常サイクル以上に拡大が続くという「スーパーサイクル論」に影響が及ぶ可能性が指摘されている。
  • 2018年8月10日、金融庁は仮想通貨交換業者23社への立ち入り検査結果を公表し、改正資金決済法に基づく登録業者と正式な登録に至っていないみなし業者の計23社に対する立ち入り検査の結果がまとまった。検査では内部管理体制の整備がずさんだった実態が判明し、仮想通貨ごとのリスクを評価せずに販売し、複数の業者でマネーロンダリングなど犯罪対策に必要な人員の確保が不十分だったとした。また、交換業者の総資産は1年間で約6倍以上に拡大した一方、役職員が20人未満の業者が大半で、平均1人あたり33億円の預かり資産を管理している実態も明らかになった。こういった交換業者が抱える問題を総括し、金融庁は金融庁は事実上停止していた新規の登録審査を本格化する。コインチェック事件後に事実上停止していた交換業者の登録が再開される見通し。現在コインチェックを含めたみなし業者3社は個別に登録の可否を判断する。
  • 2018年8月10日、世界の仮想通貨交換業者が、2018年から地中海の島国マルタ共和国に相次いで拠点を移し始めている。タックスヘイブン(租税回避地)であることや、規制環境、国をあげて仮想通貨業を育成・誘致する方針であることが理由。現在、1日あたりの取引量は世界最大になっている(1日当たり10億ドル)。規制では、マルタはICO(新規仮想通貨公開)を積極的に容認し、投資家が誤った情報で被害を受けた場合は発行企業に損害賠償責任を負わせるなど明確な規定がなされている。仮想通貨業を専門とする政府機関を発足させる法も可決し、仮想通貨ブロックチェーンを国をあげて推進する姿勢を鮮明にしており、法人税率も5%程度で低い。EU加盟国でもあるため、ビジネス展開がしやすい面がある。
  • 2018年8月9日、米トレーディング・テクノロジーズ(米先物取引システム大手)が仮想通貨取引の不正摘発ソフトを開発。仮想通貨交換所が規制強化に向けて準備を進めているため、需要が高まると判断。これに伴い、英国の仮想通貨交換所「コインフロア」とソフト提供の契約を結んだ。
  • 2018年8月3日、ICE(米インターコンチネンタル取引所)は仮想通貨の関連会社を新たに設立すると発表。スタバなどと連携して仮想通貨の売買や保管、決済機能を備えたプラットフォームを開発する。公設取引所と小売業界の大手が仮想通貨市場に参入することで、仮想通貨の普及や投資環境の整備につながる可能性が指摘されている。
  • 2018年8月3日、日本仮想通貨交換業協会は金融庁に改正資金決済法に基づく自主規制団体の認定を申請。金融庁は同協会がとりまとめた自主規制ルールの内容などを精査した上で、認定の可否を審査する。

2018年7月


  • 2018年7月30日、SBIクリプトインベストメントが米クリア・マーケッツ社に出資(出資比率は12%)。機関投資家向けに仮想通貨デリバティブ(金融派生商品)取引を提供するプラットフォームの開発を目指し、海外での展開を拡大する。
  • 2018年7月26日、SEC(米国証券取引委員会)仮想通貨ビットコインETFの認可申請を拒否したと発表。価格操作や詐欺などの不正防止策や投資家保護が不十分であると判断。
  • 2018年7月24日、日本仮想通貨交換業協会は、証拠金取引(担保に預けた資金の何倍もの金額の取引)について4倍以内を推奨する自主ルールを設ける方向で調整入り。月内に決める考えで、急激な価格変動で投資家が多額の損失を被るのを防ぐ狙い。
  • 2018年7月17日、ビットコイン大幅高。ヘッジファンド系の大口買い戻しの影響と見られています。この影響で、リミックスポイント、GMOインターネットやSBI、セレス、マネックスGなど関連銘柄も急伸。
  • 2018年7月17日、仮想通貨交換事業者テックビューロが、スマートフォン向けアプリ「Zaif」の配信を10月15日で終了すると発表。運営は継続するが、16日以降はアプリ経由の売買や仮想通貨の引き出し等は不可。「ウォレット機能」の利用者は配信終了までに別の保存媒体に移すか仮想通貨交換所に送金しておく必要がある。同社は新しいアプリを開発中としている。
  • 2018年7月8日、価格操作の疑惑、世界で相次ぐ規制強化論、需給の緩みを背景にビットコイン相場低迷。足元1BTC=6500ドル程度。当面は上値の重い展開が続くとの見方が増えている。
  • 2018年7月2日、仮想通貨交換業大手のビットフライヤーが、6月に金融庁からマネーロンダリング(資金洗浄)対策が不十分として業務改善命令を受けたことにより改めて本人確認を徹底しているため、顧客の入出金が遅延している。

2018年6月


  • 2018年6月25日、日本仮想通貨交換業協会は、仮想通貨交換会社ビットフライヤー社長とビットバンク社長が副会長職を辞任したと発表。
  • 2018年6月22日、金融庁の業務改善命令を受け、ビットフライヤーは新規口座開設を一時停止。QUOINEは内部管理部門を中心に人材採用を増やし、経営体制の整備へ。
  • 2018年6月22日、金融庁は仮想通貨交換業大手ビットフライヤーQUOINE、ビットバンク、ビットポイントジャパン、BTCボックス、テックピューロの6社に業務改善命令を出した。新規の登録審査をより厳しく進める方針。
  • 2018年6月20日、韓国の仮想通貨交換業者大手「ビッサム」が、19日深夜から20日未明にサイバー攻撃によって約350億ウォンの仮想通貨が流出したと発表。セキュリティー対策に積極的とされただけに信頼性への懸念が高まっています。ビッサムは流出分は全て自社の保有分で補償するとしています。
  • 2018年6月19日、金融庁は週内にも仮想通貨交換業者の大手ビットフライヤーやQUOINEなど5社以上に業務改善命令を出す方針。マネーロンダリング(資金洗浄)対策を含む内部管理体制に不備があると判断。
  • 2018年6月19日、3月に発足した仮想通貨の統一的な業界活動を担うJVCEA(日本仮想通貨交換業協会)が、仮想通貨交換会社の内部者による事前に得た情報を基にした取引を禁じ、取引記録の追跡が困難な仮想通貨の取り扱いもやめる自主規制案をまとめた。今後罰則規定も議論し業界として拘束力ある規則を目指す方針。6月27日に自主規制案を示し、金融庁による自主規制団体の認定が出次第、適用を始める。自主規制案は、「匿名通貨」とも呼ばれる送金先を追跡できない通貨の新規取扱いを禁止し、顧客の資産保全や取引価格の透明化にも取り組む。取扱通貨は、マネーロンダリング(資金洗浄)の恐れや、監査法人の適切な監査が難しい通貨の取り扱いを禁止する。また、顧客資産の管理の状況について、交換会社が公認会計士や監査法人による監査結果を協会に報告するように義務付け、「保管場所」も原則としてオフラインで保管させるなど厳格にするように要請する。加えて、売買価格が市場全体の実勢価格から大きくかい離しないように求める。
  • 2018年6月11日、韓国の仮想通貨交換業者「コインレイル」が6月10日にサイバー攻撃を受けて複数の仮想通貨の盗難があったとと発表し、加えて米国ではビットコイン先物の価格操作を巡る疑惑も浮上したためビットコインが2カ月ぶりの安値。イーサリアムなど仮想通貨全体に売りが広がった。コインレイルは50種類以上の仮想通貨を取り扱い、取引規模は世界の交換業者で100位前後とされる。
  • 2018年6月7日、マネックスグループ傘下の仮想通貨交換会社コインチェックは、1月に流出したNEM(約580億円分)の出金・売却を順次再開すると発表。
  • 2018年6月7日、金融庁が仮想通貨交換業者(みなし業者)のFSHOの登録拒否を正式発表。
  • 2018年6月6日、金融庁は、FSHO(みなし業者)を対象に仮想通貨交換業者の登録を初めて拒否する方針。交換業を手がける体制が整っていないと判断。FSHOは、犯罪の疑いがある取引での確認やシステムリスクの管理態勢が不十分と金融庁から業務停止命令を受けた。7日に業務停止期間終了するが金融庁は業務再開を認めない方針。ただ、FSHOにお金を預けている顧客はいない。
  • 2018年6月5日、米国最大級の仮想通貨交換会社コインベースが、年内にも金融庁に仮想通貨交換業の登録申請を行う方針。出資する三菱UFJフィナンシャル・グループと連携して日本市場開拓へ。
  • 2018年6月4日、SBIホールディングスが仮想通貨の交換事業に参入し4日から営業を開始。SBIはセキュリティー会社と組んで安全性を高める。傘下のSBIバーチャル・カレンシーズが、口座開設済みの顧客を対象にサービスを始め、7月から一般向けに口座開設を受け付ける。当初はリップルを扱い、その後にビットコインなどを扱う予定。
  • 2018年6月1日、仮想通貨交換会社コインチェックのNEM不正流出などの事件を受け、自分で取引の安全を確保したいと思う個人投資家が増えており、スタートアップのGinco(ギンコ)は、取引の秘密鍵をスマートフォン(スマホ)のアプリの中に閉じ込める仕組みを開発。ギンコが4月にリリースした秘密鍵管理アプリはiOSに対応、ビットコインやイーサリアムなど主要な17の仮想通貨を取り扱う。利用者はまずアドレスを入力して、交換所など外部から仮想通貨を受け取り、アプリが秘密鍵を生成。ギンコのサーバーには送信されず、iOS上だけで管理される仕組み。

2018年5月


  • 2018年5月30日、黒田日銀総裁は、一部の国では中央銀行自体がデジタル通貨を発行する計画が検討されている、通貨の発行という中央銀行の根幹を成す業務でも長い目で見れば今後大きな変革の時代を迎えるかもしれないと述べた。
  • 2018年5月23日、マネーフォワードが仮想通貨交換業に参入すると発表。3月に設立された子会社の「マネーフォワードフィナンシャル」が年内のサービス開始に向け準備を進めている。ビットコインやイーサリアムといった主要な仮想通貨を取り扱い、独自通貨は発行しない。
  • 2018年5月23日、GMOインターネットが仮想通貨マイニング関連の子会社をスイスに設立。7月をメドにマイニングのマシンを貸し出す予定。
  • 2018年5月20日、仮想通貨「モネコイン」で資金消失が発生。5月15日までに海外交換業者が攻撃を受け、ブロックチェーンの記録が書き換えられた。改ざんが難しいとされてきたブロックチェーン技術の死角が浮上。攻撃を受けたのは、ロシア発祥で現在は中米のベリーズ登記とみられる交換業者。モナコインが不正に移動して1000万円程度の損失が出たとされています。マイナーは採掘済みのブロックを公開せずに採掘を続け、その間保有するモナコインを交換業者に送金して別コインに換えて出金。直後に長いブロックチェーンを公開してデータを書き換えたため、交換業者に送金されたはずのモナコインは存在しないことになった。モナコインは、比較的採掘が容易な仕組みとされ、狙われた可能性が指摘されています。これは参加マイナーが多い仮想通貨では起きないとされていますが、仮想通貨の根本問題をはらむ可能性も指摘されています。
  • 2018年5月18日、2014年に破産手続き入りした「マウントゴックス」の資産処理に伴う売りが出ているとの見方が広がり、ビットコインは下落し、1カ月ぶりに一時1ビットコイン=8000ドルを割る。
  • 2018年5月14-16日、仮想通貨のイベント「コンセンサス」が開催され、SEC(米国証券取引委員会)CFTC(米商品先物取引委員会)などの規制当局関係者が仮想通貨をめぐる規制のあり方を議論。米国は仮想通貨を規制する連邦政府の包括的な枠組みがなく、SECとCFTCが既存の法律を当てはめて対応している。法律の適用方法に不透明な部分もあるため、規制当局の考え方を見極めようと、多くの仮想通貨関係者がイベントに集まった。SECとCFTCは、仮想通貨技術を使ったICOに関し、投資家教育と不正行為の取り締まりに力を入れていくとし、最大の仮想通貨ビットコインに次ぐ市場規模のイーサリアムが有価証券に該当するかどうか協議をしている。結論はまだ先としながらも迅速に結論を出す必要があると述べた。
  • 2018年5月15日、筑波大学や野村アセットマネジメントの調査で仮想通貨交換業者11社のうち、利用中にパスワードなどが盗まれて仮想通貨が不正にひきだされるフィッシング詐欺の対策が不十分な業者は6社であることがわかった。仮想通貨交換業者の取引サイトの安全性に関するレベルは、EV(高い)が4社、OV(ある程度)が1社、DV(最低限)が6社。
  • 2018年5月14日、三菱UFJ銀行と三菱商事が米リップル社の仮想通貨技術を使った国際送金の実証実験を月内に始める。これまで数日かかっていた国際送金が数分になるなど時間短縮が期待でき、送金コストも減らす方向。
  • 2018年5月14日、米セントルイス地区連銀のブラード総裁は、仮想通貨の蔓延によって米国経済に現実的な問題を生じかねないと警戒感を示しました。まだ大きな問題になっていないのは経済全体の規模に比べて取引量が少ないからだとしました。
  • 2018年5月12日、ICO増勢。調査会社コインデスクは、2018年1-3月は世界で202件、調達額は63億ドルと発表(2017年は1年間で54億ドル)。ロシアやスイスなどで増加傾向。
  • 2018年5月10日、スターマイカ(中古マンション販売)が近くビットコインでの支払いを認める。5000万円を上限に投資用マンションの購入代金をビットコインで支払えるようにする。仮想通貨の価格上昇で資産が膨らんだ投資家を呼び込む狙い。
  • 2018年5月6日、金融庁の仮想通貨交換業者に対する新たな登録審査方針が明示され、重点5項目を導入してリスクを事前に回避する構え。
    5項目は、①複数の秘密鍵とネットと切り離した仮想通貨の保管(システム管理)②マネーロンダリング対策③顧客と業者の資産の分別管理④匿名性が高く、マネーロンダリングに使われやすい仮想通貨の取り扱いは原則認めない⑤株主と経営の分離、システムの開発と管理の担当を分離(内部管理)
  • 2018年5月3日、QUICKの調査で仮想通貨の技術「ブロックチェーン」を将来的に活用したいと考えている企業が34%に上ることがわかった(上場企業317社が対象)。活用することはなさそうとする回答は63%。
  • 2018年5月1日、SBIホールディングスが、仮想通貨を有価証券として販売し、流通させる技術を開発している米国のシステム会社のテンプラム社に米国企業と共同で1000万ドル出資と発表。SBIは仮想通貨関連事業の世界展開を目指している。

2018年4月


  • 2018年4月25日、金融庁は、仮想通貨交換業者(みなし業者)のみんなのビットコインに対して、マネーロンダリング対策や帳簿書類の管理などの不備により、改正資金決済法に基づく業務改善命令。
  • 2018年4月24日、ビットコイン円建て)が100蔓延台回復。米国で納税資金を捻出するためのビットコイン売りが一巡。また、日本でも「日本仮想通貨交換業協会」が発足したことにより、仮想通貨取引を巡る警戒感が後退した影響。
  • 2018年4月24日、GMOフィナンシャルホールディングスが1-3月期、仮想通貨事業の営業損益が7.6億円の赤字に転落したと発表。1月に発生したコインチェック社による巨額の外部流出事件や各国の規制強化などを受けて仮想通貨が全面安となり、自社で保有する持ち高の時価が急減した。
  • 2018年4月23日、仮想通貨業界の自主規制団体「日本仮想通貨交換業協会」発足。今夏に取引や情報開示などにまつわる自主規制ルールを公表する見通し。コインチェックの不正流出事件などによって低下した業界の信頼回復をへ。団体の会長は、マネーパートナーズグループの奥山泰全社長。団体には金融庁に登録済みの16社が加入し、申請中の交換会社なども受け入れる方針。団体が優先する課題は、
    ①顧客保護:顧客と会社の資産の分別管理の自主規制団体としての統一見解。②ルールづくり:インサイダー情報の管理やレバレッジの上限のルールづくり。
    ③情報開示:仮想通貨交換業者の情報開示。適時に情報開示する体制を整える。
    の3つ。
  • 2018年4月20日、サイバーエージェントが子会社のサイバーエージェントビットコインを中心に独自仮想通貨の開発に乗り出すと明示。2019年にもゲーム事業向けなどに発行する。2017年に仮想通貨の交換業に参入すると表明していたが、交換業から独自発行に切り替え。
  • 2018年4月17日、ニューヨーク州のシュナイダーマン司法長官が、主要な仮想通貨交換業者13社に管理体制などの情報開示を要請。透明性を高め、投資家保護を強化する狙い。
  • 2018年4月16日、マネックスグループによるコインチェックの完全子会社化が完了。
  • 2018年4月16日、17日締め切りの米国の仮想通貨の確定申告で混乱。IRS(米内国歳入庁)が、仮想通貨の分裂に伴う税務上の取り扱いや取得価格の算出方法を示していないことで、申告にばらつきが生じる懸念。
  • 2018年4月15日、マネックスグループ社長は、コインチェックのNEMに関する訴訟費用が最大で10-20億になるとし、匿名性が高いモネロ、Zキャッシュ、ダッシュという3つの仮想通貨の取扱をやめる方針をしめしました。訴訟費用の負担は既存株主が負担するとし、マネックスグループの負担は限定的としました。
  • 2018年4月13日、金融庁は仮想通貨交換業者(みなし業者)のBMEXに大口取引先の資金繰りを支えるために、顧客の資産を流用していたとして業務停止命令を出したと発表。6月12日までに全交換業務を停止させる。また、みなし業者である来夢は23日、みなし業者であるビットエクスプレスは24日に交換業を廃止。
  • 2018年4月13日、処理速度が速い新型のブロックチェーンが東南アジアを中心に開発が進んでいる。現在ブロックチェーンは、ビットコインで1秒間に7件、イーサリアムで15件程度の取引の処理速度だが、今後は数百万件程度になる見通し。
  • 2018年4月12日、仮想通貨交換業者のビットフライヤーが顧客獲得を優先して本人確認が不十分なまま売買を可能としていた取引環境の不備が判明。取引口座を解説する顧客の本人確認を完了する前から売買を可能にしており、架空の人物を装った取引が横行する恐れがあり、マネーロンダリングの温床となりかねず、早急なルール整備が求められる。
  • 2018年4月11日、金融庁は仮想通貨交換業者のブルードリームジャパンに業務停止命令。同社発行の独自仮想通貨が自己勘定と社長個人の売買で価格形成している事実を説明せずに市場価格であるかのようにして売買の勧誘をしていたことが理由。2018年6月10日まで全業務停止。
  • 2018年4月11日、2017年度のビットコインなど主要5仮想通貨の取引量が前年度比約20倍の約69兆円に。2018年3月時点で、少なくとものべ350万人が取引に参加、20-40歳代が9割を占める。
  • 2018年4月11日、ドイツ連邦銀行(ドイツの中央銀行)のドンブレット理事が、デジタル通貨は必要だが、必ずしも中央銀行が発行する必要はない」と述べた。政府・中央銀行ではなく、利用者が主導するプロセスが望ましいと強調。
  • 2018年4月10日、金融庁は仮想通貨を巡る規制の見直しを検討する有識者会議を開き、レバレッジの上限規制、ICOに関する制度整備の必要性などを議論。金融庁は今後も会合を重ね、議論を踏まえた上で、制度改正を進める方向。
  • 2018年4月8日、金融庁が週内に仮装通貨登録業者に立ち入り検査をし、大手会社を中心に資産の分別管理や企業統治の状況などを調べる方針。報告だけではわからない利用者保護の体制や監査機能、経営と執行をきちんと分離して企業統治を働かせているかなどを調べ、不備が見つかれば業務改善命令などを行う。
  • 2018年4月7日、2018年3月に幹部が顧客の仮想通貨を私的流用し、業務停止命令を受けていた仮想通貨交換業者のみなし業者であるビットステーションが、仮想通貨を取り巻く情勢への対応が難しいと判断したとして、4月8日以降払戻以外の業務をせず廃業に向けた手続きの検討をする。顧客の資産は全額返金とのこと。
  • 2018年4月6日、マネックスグループがコインチェック完全子会社化へ既存株主から全株式を36億円で取得すると発表。
  • 2018年4月6日、金融庁は仮想通貨交換業者のみなし業者であるFSHOとエターナルリンクに業務停止命令・業務改善命令、LastRootsに業務改善命令を出した。また、金融庁は見なし業者6社が登録申請を取り下げる意向を示したことも公表。新たにCAMPFIREなど3社が自主的に撤退。6社は顧客へ資産を返した後、交換業を廃業する。
  • 2018年4月5日、コインチェックがマネックスグループからの出資を受け入れる方針。現在の経営陣は退任し、マネックス傘下で経営改善へ。新社長はマネックスグループの勝屋敏彦最高執行責任者(COO)。
  • 2018年4月5日、財務省が主要国に先行して仮想通貨の海外送金のルール整備をするとの報道。3000万円相当分超の支払いを当局に報告する基準を明確にする。海外取引の実体を把握しやすくなり、マネーロンダリングを抑える狙い。また、これまで仮想通貨の3000万円超の価値基準が明確でなかったが、明確な基準をつくるとしている。知名度の低い仮想通貨の場合は、仮想通貨間で交換できるビットコインなど主な仮想通貨の相場を参考に判断することを認める。このルールが明確になれば、仮想通貨の決済手段としての使い勝手がよくなるとの観測も。
  • 2018年4月4日、3月29日付けで新団体「日本仮想通貨交換業協会」が発足していたことが判明。金融庁に登録されたすべての仮想通貨交換会社16社が参加。
  • 2018年4月3日、コインチェックの支援先に対し、マネックスグループが子会社化の買収案を提示。議決権の過半をとって経営陣を派遣する方針。買収額は数十億円の見込み。

2018年3月


  • 2018年3月29日、2018年3月8日に業務停止命令を受けていたミスターエクスチェンジと東京ゲートウェイが(いずれも「みなし業者」)仮想通貨交換業者の登録を取り下げとの報道。セキュリティー対策が金融庁水準に達していなかった。2社は仮想通貨や現金の返還手続きの後、交換業をやめる見通し。
  • 2018年3月27日、アトランタ連銀総裁が、ビットコインなど仮想通貨への投資は「すべきでない」と否定的な立場を示しました。また、仮想通貨市場は、投機的であり通貨ではないとしました。
  • 2018年3月26日、ツイッターも仮想通貨関連の広告を一部禁止する方針との発表。ICOやトークンの販売関連広告を世界的に禁止。ウォレット(電子財布)を提供する業者は上場企業以外を禁止対象に。
  • 国内クレジットカード大手が相次いでカードによる仮想通貨購入を停止。仮想通貨のボラティリティの高さで、カード決済の損失発生のリスクが高いとした措置。
  • 2018年3月24日、ヤフーが仮想通貨交換業に参入へ。子会社を通じ、金融庁登録業者ビットアルゴ取引所東京の株式の40%を取得。2019年春に追加出資も検討。
  • 2018年3月23日、金融庁が世界最大の仮想通貨交換業者とされる香港本社のバイナンス(利用者は世界で約600万人、取り扱い仮想通貨は120種類)に、日本で無登録のまま営業していたとして、改正資金決済法にもとづく警告を出す方針との報道。営業をやめない場合は刑事告発へ。違法行為に対処して仮想通貨の取引環境を健全なものとする。
  • 2018年3月22日、警視庁は2017年に仮想通貨の個人アカウントへの不正アクセスが149件あったと公表。被害総額は約6.6億円。被害が確認されたのは仮想通貨交換業者など16社とウォレット(口座)の運営会社3社。流出した仮想通貨はビットコインが85件、リップルが55件、イーサリアムが13件etc。その中の8割以上が二段階認証をしていなかった。
  • 2018年3月20日、G20財務相・中央銀行総裁会議の共同声明で、FATF(金融活動作業部会)が交換業者の登録制や利用者の本人確認をより強制力のある形にするよう促す。ただし、FATFは加盟国以外に強制力を持っていないため、今後、各国と共通ルールを導入するよう働きかける必要がある。
  • 2018年3月20日、G20財務相・中央銀行総裁会議で、仮想通貨がテロ資金の温床となる恐れがあるとして、悪用防止に向けて国際組織に監視を要請。
  • 2018年3月20日、コインチェックのNEM流出事件で、NEM普及を図る「NEM財団」が、流出したNEMの350奥円程度は他の仮想通貨に交換されており、追跡しても効果は薄いとして追跡停止を発表。
  • 2018年3月19日、トランプ大統領はベネズエラ発行の仮想通貨取引を禁止する大統領令に署名。デフォルト状態と認定されており、独裁化を進めようとしていたベネズエラは、仮想通貨で外貨獲得に動いたが、米国はこれを阻止する方向。
  • 2018年3月18日、仮想通貨の市場拡大が半導体需要を押し上げ。マイニングに必要な高性能の半導体を大量に利用しているため。一方、最近の仮想通貨の価格下落や規制強化が需要を崩すリスクが指摘されています。
  • 2018年3月19-20日は、G20財務相・中央銀行総裁会議。仮想通貨規制強化が主要課題。仮想通貨をG20で議論するのは初。規制強化の共同声明を採択する方向。共通ルールがを作る方向性が出るかもしれないです。ただ、規制の考え方は各国各国様々。具体策合意は難しそうとの見方があります。
  • 2018年3月16日、中央銀行が自らデジタル通貨を発行できるか調査開始。今後、中銀間で議論を深める方向ですが、日銀にはまだ具体的な計画はないが、ECBと共同で仮想通貨などに使われる技術の実証実験を進めている。ただ、中央銀行がデジタル通貨を発行すれば、民間の銀行のデジタル通貨と競合する可能性が高いです。民間の銀行が共通規格のデジタル通貨を発行できなければ、日銀が参画して「真のJコイン」を作るとの見方もあります。
  • 2018年3月16日、ビットコインの取引が2017年末の1/4に急減。世界的規制強化懸念と価格低迷で個人の関心が薄れているとの見方。
  • 2018年3月13日、グーグルが仮想通貨に関わる広告を6月から掲載禁止に。Facebookも1月に月に同様の措置を表明しており、ICOに関する広告も含まれているため、仮想通貨市場への影響は大きそうです。