ブロックチェーンとは?
ブロックチェーン(Blockchain)とは、「分散型台帳技術」「分散型ネットワーク」とも呼ばれる、過去の取引の内容をブロックとしてまとめて記録・保存し、そのブロックをチェーン状につなげたものです。
ブロックチェーンはビットコインから生まれた技術で、ビットコインをはじめとした仮想通貨のほとんどで、このブロックチェーンの技術が使われています。
ブロックチェーンの仕組みと分散型台帳
ブロックチェーンは、例えばAさんが「2BTCを送金して1BTCを買い物で使った」といった取引の内容が「ブロック」の中に記録・保存されます。全ての取引が記録されるようになっていて、10分ごとに取引がブロックにまとめられ、時間の経過とともに新しいブロックが生成され、そのブロックを次々とつないでいく仕組みとなっています。新しく生成されたブロックは、一つ前のブロックのデータを一部含むように設計されており、ブロック同士が一部同じデータを共有していることから、「チェーンのようにつながっている」と表現され、ブロックとブロックをチェーンのようにつないでいく仕組みであることから「ブロックチェーン」と呼ばれています。ビットコインのブロックは、2009年1月の誕生以来、ずっとブロックがつながっており、過去のブロックを辿っていけば、すべての取引記録を確認することができます。これらは、過去の取引記録をすべて記録されている「台帳」であり、台帳はインターネット上で公開されています。
すなわち、台帳を利用者全員が保有しているという仕組みになっています。これは「分散型台帳」と呼ばれ、データの改ざんのリスクが低いとされています。例えば、銀行であればデータの管理は独自サーバーで行っていますが、データの集中によってハッキングを受けやすいので、データの増加に伴ってサーバーを追加していく必要があります。また、それに伴ってコストもかかります。これに対して「分散型台帳」の場合は、台帳を利用者全員が保有しているため、利用者が増えれば増えるほど監視する人が多くなり、また、データが集中するサーパーもないため、改ざんは困難であり安全性が保たれます。さらに、サーバーがないため、サーバーがダウンすることによって取引ができなくなるということもありません。
ブロックと台帳の関係
ブロックと台帳は、ブロックの1つが台帳の1ページにあたります。すなわち、「ブロック1つ=台帳1ページ」となっています。
チェーンのつなぎ方(ハッシュ値・ナンス)
新しく生成されたブロックは、一つ前のブロックのデータを一部含むように設計されており、ブロック同士が一部同じデータを共有していることから「チェーンのようにつながっている」と表現され、ブロックとブロックをチェーンのようにつないでいく仕組みであることから「ブロックチェーン」と呼ばれていますが、これは、新しいブロックのヘッダに一つ前のブロックのヘッダの一部が暗号化されて組み込まれています。ここに「SHA-256」というハッシュ関数というアルゴリズムの一つである暗号化技術が使われており、新しいブロックのヘッダには、一つ前のブロックのヘッダのハッシュ関数を用いて暗号化された「ハッシュ値」と「取引記録」、「ナンス」という任意のデータが組み込まれます。
ハッシュ値とは?
ハッシュ値とは、すなわち、データを要約する関数です。ハッシュ値は元のデータの変化によって、値が大きく変化しますので、取引終了前に次のハッシュ値はを予測することは困難とされています。ゆえに、取引記録が改ざんされたことはこれまでありません。
ナンスとは?
ナンスとは、一つ前のブロックのハッシュ値から特定の文字列が出現するハッシュ値を生成するために求めるものです。正確なナンスを求めた「マイナー」は、そのブロックをブロックチェーンにつなぐことができます。そして、その報酬としてビットコインが受け取れ、新しくつながれたブロックのヘッダを他の人が解析することによって、それが正当であるかどうかが検証できる仕組みとなっています。
※ビットコインの取引が正常に行われたことを承認する作業を「マイニング」といい、マイニングを行う人を「マイナー」といいます。
チェーンが分岐した場合
ブロックチェーンは分岐することがあります。これはブロックチェーンの取引が不特定多数のマイナーによってマイニングされているためです。ただ、ビットコインでは、その後につながるブロックチェーンが一番長いものを「正当」としています。
これは、正当であるとするチェーンにマイナーがマイニングを行うからです。すなわち、多くのマイナーが集まったチェーンは、その後にブロックが生成されやすくなり、それが正当であるとされます。逆に言えば、短いチェーンの方にはマイナーが集まりませんので、マイナーに対する報酬がなくなり、結果的に一番長いチェーンにマイナーが集まっていきます。
要するに、正当なチェーンをつなげていくには51%以上のマイナーの計算量が必要となります。悪い人が故意にブロックを生成してチェーンをつなげていこうとしても、51%以上のマイナーの計算量を持つことは、計算量が膨大であるため困難とされています。ゆえに、一番長いチェーンが正当であるとされています。
一方、ブロックチェーンが分岐して、正当でないとされたブロックの取引は無効となります。マイナーへの報酬もなくなります。ただ、ブロックチェーンが分岐する確率は0.2%以下であるとされており、また、正当でないとされたブロックの取引は無効となり、取引そのものが無効となるため、そのビットコインはまた使えるようになります。
動画で解説
当ページはYouTubeで動画の解説も行っています。
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