通貨について
現在「通貨」と言えば円やドル、ユーロなどの「法定通貨」のことを指すのが一般的です。「法定通貨」とは、国の政府に認められた通貨のことです。例えば、円の場合、日本銀行が発行する日本銀行券(紙幣)と、造幣局が製造して政府が発行する貨幣(硬貨)が法定通貨です。円は、国が「これはお金です」と法律で保証しているからみんなそれを信用し、「これはお金だ」と思って利用しています。
通貨の価値
一方、「通貨の価値」というのは国が保証しているわけではなく、その国の財政や経済力、軍事力などに対する信用や、その国の通貨が必要か必要でないかといった需給などで形成されます。ゆえに、例えば、その国の財政が悪化するなどすれば信用がなくなりますので、その国の通貨の価値は下がることになります。
通貨の価値が下がるということは、例えばこれまでパンを一つ買うのに100円出せば買えていたのに、500円出さなければ買えなくなる、といったことになります。すなわち、通貨の価値が下がれば相対的に物価が上昇しますので「インフレ」の状態となります。緩やかなインフレは経済にとっていいとされていますが、急激なインフレが起こるとその国の通貨への信用が急激に下がります。通貨が信用を失えば誰もその国の通貨を受け取らなくなってしまうので、お金がお金の価値を失ってしまうことになります。急激なインフレのことを「ハイパーインフレ」と言いますが、第一次世界大戦の時にドイツが、そしてアフリカのジンバブエがこのハイパーインフレを経験しています。
ジンバブエの場合、当時ジンバブエドルを使用していましたが、ハイパーインフレの時はパンを一斤買うのに大量のジンバブエドルが必要になるといったことが起こっていました。お金がお金の価値を失ったので誰もジンバブエドルを欲しがらず、大量のジンバブエドルを出さなければパンも買えなかったのです。
仮想通貨は通貨として成り立つ?
さて、話が逸れましたが、1万円札は1万円の価値があると信用してみんなそれを利用していますが、これはみんなが「1万円札は1万円の価値がある」と信用しているから成り立っています。
ただ、1万円札はそもそもは紙切れです。これが紙切れでなく、例えば石であっても「これには1万円の価値がある」とみんなが信用すれば1万円として利用できることになります。紙切れが石に形が変わるだけです。仮想通貨は、これが「電子データ」になるということです。仮想通貨を利用するみんなが「これはお金だ」と信用していれば、仮想通貨は通貨として成り立つことになります。
一方、ここで気になるのは、仮想通貨の価値はどのように決まるのかということです。その解説は「仮想通貨の価値とは?信用するための根拠は?」のページを参照してください。
動画で解説
当ページはYouTubeで動画の解説も行っています。
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